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レッスン 1 / 7

生成AIで仕事はどう変わる?

所要時間 20分無料で見られます

学ぶコト

  • 生成AIの得意なことと苦手なこと
  • ハルシネーション・最新情報・計算・機密情報の注意点
  • 最初にAIに任せる仕事の選び方

このコースでは、ChatGPT・Claude・Gemini・Microsoft Copilot といった生成AIを、ふだんの仕事で安全に使いこなす方法を学びます。

最初のレッスンでは、操作の話に入る前に「生成AIは何が得意で、何が苦手なのか」をおさえます。ここが分かると、AIに任せてよい仕事と、自分でやるべき仕事の線を引けるようになります。

生成AIとは?

生成AIは、文章・画像・音声などを新しく作り出すAIです。仕事でよく使うのは、文章でやりとりするチャット型のAIで、中身は大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる仕組みです。

大規模言語モデルは、大量の文章を学習して「この文の次に来そうな言葉」を予測しながら文章を組み立てます。仕組みをもっと知りたい方は「LLMのしくみとAPI入門」のコースを見てください。

ここで覚えておきたいのは、次の1点です。

最近のサービスは、Webを検索したり、計算のためにプログラムを動かしたりする機能を持っていて、苦手な部分を補えるようになってきました。それでも、出てきた答えが正しいかを最後に確かめるのは人の仕事です。

生成AIが得意なこと

仕事の中で、生成AIが特に役に立つのは次のような作業です。

作業例
下書きを作る営業メール、お詫びのメール、社内のお知らせ、企画書の構成
要約する長い資料、会議の文字起こし、問い合わせの履歴
書き直す敬語に直す、短くする、やさしい言葉にする、箇条書きにする
アイデアを出すキャンペーンの案、アンケートの質問、研修のテーマ
分類・整理する問い合わせを種類ごとに分ける、自由記述の回答をまとめる
翻訳する海外の取引先へのメール、英語の資料の要点
説明してもらうExcel の関数の使い方、知らない業界用語

どれも「ゼロから自分で書くと時間がかかるが、たたき台があれば直すのは早い」作業です。生成AIは、この「たたき台を作る」部分を大きく縮めてくれます。

生成AIが苦手なこと

一方で、次の4つは仕事で使う前に必ず知っておきたい弱点です。

1. もっともらしい間違い(ハルシネーション)

生成AIは、事実と違うことを自信ありげに書くことがあります。存在しない本の名前、実際とは違う数字、ありもしない法律の条文などです。これをハルシネーションと呼びます。

文章としては自然なので、読んだだけでは気づきにくいのが困るところです。数字・固有名詞・日付・引用は、必ず元の情報で確かめます。確かめ方は「調べものを任せる」のレッスンで詳しく扱います。

2. 最新の情報

大規模言語モデルが知っているのは、学習したデータの時点までのことです。それより後に起きたこと(新しい法改正、今月の為替、競合の新商品など)は、そのままでは知りません。

Web検索の機能を使えば最新の情報を調べてから答えてくれますが、検索で拾ったページが古かったり、信頼できない情報だったりすることもあります。

3. 計算や集計

「次の言葉を予測する」仕組みなので、桁の多い計算や、たくさんの数字の集計を頭の中だけでやらせると間違えることがあります。

最近のサービスには、データを渡すとプログラムを書いて計算する機能があり、これを使うと正確になりやすくなります。それでも、どんな前提で計算したかは人が確かめる必要があります。これは「データ分析を頼む」のレッスンで実際に試します。

4. 機密情報・個人情報

AIに入力した内容は、サービスを提供する会社のサーバーに送られます。個人向けのプランでは、設定によっては入力した内容がAIの改善(学習)に使われることもあります。

顧客の名前や連絡先、社外秘の数字、契約の内容などを、会社が認めていないサービスに入力するのは避けましょう。どのプランなら学習に使われないかは「ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot の使い分け」のレッスンで、社内ルールの作り方は最後のレッスンで扱います。

どの仕事から任せる?

では、実際にどの仕事からAIに任せるとよいでしょうか。判断の目安は次の2つです。

  • 間違えたときの影響:社内のメモか、お客様に出す文書か、お金や契約に関わるか
  • 自分で確かめやすいか:読めばすぐに正しいか分かるか、調べ直さないと分からないか

この2つを組み合わせると、次のように分けられます。

自分で確かめやすい確かめるのに手間がかかる
間違えても影響が小さいまず任せる(メールの下書き、言い換え、アイデア出し)気をつけて任せる(社内向けの調べもののまとめ)
間違えると影響が大きい任せて、必ず人が見直す(お客様への回答文、提案書の文面)任せない・判断は人がする(契約の可否、法律の判断、人事評価)

最初は左上の「まず任せる」から始めるのがおすすめです。結果を見ればすぐに良し悪しが分かるので、頼み方のコツもつかみやすくなります。

ウマたんウマたん

いきなり大事な資料をまるごと任せるより、毎日書いているメールや議事録から始めるのが近道です。「AIが作って、自分が直す」の流れに慣れてから、少しずつ任せる範囲を広げていきましょう。

仕事を「作業」に分けて考える

「企画書を作る」のような大きな仕事は、そのままだと任せにくいものです。作業に分けると、任せられる部分が見えてきます。

例えば企画書なら、次のように分けられます。

  1. 目的と読み手を決める(人)
  2. 構成の案を出す(AI)
  3. 構成を選ぶ(人)
  4. 各章の下書きを作る(AI)
  5. 数字や事例を入れ、内容を確かめる(人)
  6. 誤字脱字や言い回しを整える(AI)
  7. 最終確認をして提出する(人)

「決める」「確かめる」「責任を持つ」は人、「案を出す」「下書きする」「整える」はAI、と分けると、品質を保ちながら時間を短くできます。

このコースの進め方

このコースは、次の7つのレッスンで進みます。

レッスン内容
1. 生成AIで仕事はどう変わる?得意・不得意と、任せる仕事の選び方(このレッスン)
2. ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot の使い分けサービスごとの特徴、無料と有料、会社で使うときの注意
3. 頼み方の基本よいプロンプトの要素、聞き返してもらう、手順に分ける、テンプレート
4. 文章の仕事を任せるメール、議事録、企画書の骨子、校正、翻訳
5. 調べものを任せるWeb検索、ディープリサーチ、手元の資料に基づく回答、出典の確かめ方
6. データ分析を頼むCSV・Excel の集計とグラフ、結果の確かめ方
7. 自分専用のAIを作る・社内ルールカスタム指示、プロジェクト、エージェント、社内ルール

各レッスンには、手元のAIで試せるプロンプトの例と、短い演習があります。プロンプトの例は、そのままコピーして使えるようにしてあります。ぜひ自分の仕事に合わせて書き換えながら、実際にAIに頼んでみてください。

演習

まとめ

  • 生成AIは「それらしい文章を作る」のが得意な道具。下書き・要約・書き直し・アイデア出し・分類・翻訳で特に役に立つ
  • 苦手なのは、もっともらしい間違い(ハルシネーション)、最新の情報、計算や集計、そして機密情報の扱い
  • 任せる仕事は「間違えたときの影響」と「自分で確かめやすいか」で選ぶ。まずはメールや議事録など、毎日の小さな作業から
  • 大きな仕事は作業に分け、「決める・確かめる・責任を持つ」は人、「案を出す・下書きする・整える」はAIに任せる

次のレッスンでは、ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot の特徴と、会社で使うときに確かめておきたいことを見ていきます。