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イライザ効果とは?AIに心があると感じてしまう理由を分かりやすく解説!

目次
ウマたんウマたん

当サイト【スタビジ】の本記事では、「イライザ効果」について分かりやすく解説していきます!AIに心があると感じてしまう理由から、始まりのプログラム「ELIZA」、今のAIとのつきあい方まで見ていきましょう!

こんにちは!ウマたんです!

AIと話していて、「この子、分かってくれている」と感じたことはありませんか?

疲れた日にグチをこぼすと、「それは大変でしたね」とやさしく返してくれる。

つい、ほっこりしてしまいますよね。

でも、その「分かってくれている」という感覚の正体は、実はAIの側ではなく、私たちの側にあるのかもしれません。

この心の働きを「イライザ効果」と言います。

読者

AIに心があるように感じるのって、気のせいなの?

読者

AIにグチを聞いてもらうことがあるけど、使い方で気をつけることってある?

本記事では、次の4つを順番に解説していきます。

以下のYouTube動画でも解説していますので、あわせてチェックしてみてください!

YouTubeの動画

イライザ効果とは?

イライザ効果とは、コンピューターの受け答えに、人間のような心や理解があると思い込んでしまう心の働きのことです。英語では「ELIZA effect」と言います。

AIは、ただ言葉を並べているだけかもしれない。

それでも、こちらに寄り添う言葉が返ってくると、つい「分かってくれている」と感じてしまう。

寄り添う言葉が返ってくると「分かってくれてる…」と感じるが、コンピューターの中は言葉を並べているだけかもしれない

起きていること
コンピューターの中受け取った言葉に合わせて、返事の言葉を並べている
私たちの心の中「分かってくれている」「気持ちが通じた」と感じる

この2つのズレが、イライザ効果です。

心がこもっているように感じるのは、コンピューターではなく、受け取る私たちの側の働きなんです。

この名前は、1960年代に作られた、あるプログラムから来ています。

始まりのプログラム「ELIZA」

それでは、イライザ効果の名前のもとになったプログラム「ELIZA」を見ていきましょう!

1966年、MITで生まれたELIZA

1966年、アメリカのMITで、ジョセフ・ワイゼンバウムという研究者が、あるプログラムを発表しました。

それが「ELIZA(イライザ)」です。

1966年、MITの研究者ジョセフ・ワイゼンバウムがELIZAを発表

ELIZAは、カウンセラーのようにふるまうプログラムです。

画面に文字を打ち込むと、カウンセラー役のELIZAが文字で返事をしてくれる。今でいうチャットボットの元祖のような存在なんです。

中身はキーワードを拾って型に当てはめるだけ

たとえば「母のことで悩んでいます」と打つと、「お母さんについて、もっと聞かせてください」と返してくる。

まるで話をちゃんと聞いてくれているみたいですよね。

でも実は、相手の言葉の中のキーワードを拾って、決まった型の文に当てはめているだけでした。

「母のことで悩んでいます」からキーワード「母」を拾い、「〇〇について、もっと聞かせて」という決まった型の文に当てはめる

相手の言葉拾ったキーワード当てはめる型ELIZAの返事
母のことで悩んでいます母〇〇について、もっと聞かせてくださいお母さんについて、もっと聞かせてください

言葉の意味を理解しているわけでも、相手の気持ちを考えているわけでもありません。

カウンセラーは、相手の話をさえぎらずに聞いて、質問で返しながら話をうながしますよね。この話し方なら、中身を理解していなくても、それらしい会話が続いてしまうんです。

このように、あらかじめ決めたルールにそって返事をするチャットボットは「ルールベース」と呼ばれます。チャットボットの種類や作り方については、以下の記事で解説しています。

【サンプルコード付き】Pythonを使ったチャットボットの作り方を解説!当サイト【スタビジ】の本記事では、Pythonを使ったチャットボットの作り方をコードによる実装も含めて解説していきます!ChatGPTにより、高度な回答が可能なチャットボットが簡単に作れるようになりました。本記事を読んで自分なりのチャットボットを作っていきましょう!

秘書が「部屋を出ていって」と頼んだほど

ところが、使った人の中には、本気で悩みを打ち明ける人が続出しました。

ワイゼンバウムの秘書は、ELIZAと話したいから部屋を出ていってほしい、と頼んだほどだったんです!

ワイゼンバウムの秘書は、ELIZAと話したいから部屋を出ていってほしいと頼んだ

秘書は、ELIZAがただのプログラムだと知っていたと言われています。

中身が単純なプログラムだと分かっていても、それでも心を感じてしまう。ここに、イライザ効果の強さが表れています。

作った本人の驚き

この反応に、いちばん驚いたのは、作ったワイゼンバウム本人でした。

こんなに単純なプログラムなのに、人はいとも簡単に、心があると思い込んでしまう。

彼はその後、コンピューターに人間の大事な判断を任せすぎることに、警鐘を鳴らすようになったんです。

作った本人のワイゼンバウムは驚き、「任せすぎ注意」と警鐘を鳴らすようになった

自分の作ったプログラムが人気になったのに、喜ぶどころか、その危うさを訴える側に回った。

60年も前の話ですが、今のAIの時代にこそ響く話ですよね。

なぜ心があると感じてしまうのか

それでは、なぜ私たちは、AIに心があると感じてしまうのでしょうか?

理由は大きく2つあります。

理由1:ものに心を見つけやすい

1つ目は、人間がもともと、身のまわりのものに心を見つけやすいことです。

コンセントの穴が顔に見えたり、ぬいぐるみに話しかけたりしますよね。

車の正面が笑っている顔に見えたり、動かなくなったパソコンに「がんばれ」と声をかけたり。

人間ではないものに、人間のような心や気持ちを重ねてしまうことを「擬人化」と言います。また、点や線の並びが顔に見えてしまう現象は「パレイドリア」と呼ばれます。

私たちの心は、もともと「そこに誰かいる」と感じやすくできているんです。

理由2:言葉の力

2つ目は、言葉の力です。

私たちは、自然な言葉で返事をくれる相手には、心があるものだと思って生きてきました。

生まれてからずっと、言葉で返事をしてくれる相手といえば、人間だけでしたよね。

だから、言葉で返事が返ってくると、相手が機械だと分かっていても、つい「心がある相手」として接してしまうんです。

今のAIで、イライザ効果はむしろ強くなっている

しかも今のAIは、ELIZAとは比べものにならないほど、なめらかに話します。

いつでも、否定せずに、こちらの気持ちに寄り添ってくれる。

イライザ効果は、むしろ強くなっているんです!

いつでも・否定しない・寄り添う。今のAIでイライザ効果はむしろ強くなっている

ELIZA(1966年)今の会話AI
返事の作り方キーワードを拾って、決まった型に当てはめる大量の文章から学んだ言葉の使い方で、その場で文章を作る
話のなめらかさ型どおりで、同じような返事が多い人と話しているように自然
話せる話題カウンセラー役に限られる仕事の相談から雑談まで、ほぼなんでも
使える時間研究室のコンピューターの前だけスマホで、いつでもどこでも

キーワードを拾うだけのELIZAでさえ、秘書が部屋から人を追い出すほどだったわけです。

今のAIの自然さを考えると、私たちが心を感じてしまうのも、無理はありませんよね。

今のAIがなめらかに話せる仕組み(大規模言語モデル)については、以下の記事で解説しています。

大規模言語モデル(LLM)の仕組みや種類について分かりやすく解説!当サイト【スタビジ】の本記事では、大規模言語モデル(LLM)の仕組みや種類について分かりやすく解説していきます。ChatGPTなどの大規模言語モデルの基本を理解してこのAI時代の流れに乗り遅れないようにしましょう!

今、社会で起きていること

実際、イライザ効果は、今の社会でも話題になっています。

2022年には、Googleのエンジニアが、開発中の会話AI「LaMDA」に「感情がある」と主張して、大きなニュースになりました。Google自身は、この主張を否定しています。

2022年、Googleのエンジニアが会話AIに「感情がある」と主張して話題に

AIの専門家であるエンジニアでさえ、AIに心を感じてしまうことがある。イライザ効果は、知識があれば防げる、というものではないんです。

最近では、恋人や友だちのように話せる「AIコンパニオン」のアプリも人気です。

一方で、AIとの会話にのめり込みすぎて、心の健康を損なってしまうケースも報告されています。

そこで、アメリカのカリフォルニア州では、2026年から、新しい法律(SB 243)が始まりました。

こうしたAIに、「相手がAIだと知らせる」ことなどを義務づけるものです。

カリフォルニア州では2026年から、AIコンパニオンに「あなたはAIと話しています」と知らせることなどを義務づける法律が始まった

時期できごと
1966年MITのワイゼンバウムがELIZAを発表。使った人が本気で悩みを打ち明ける
2022年Googleのエンジニアが、会話AIに「感情がある」と主張して話題に
最近恋人や友だちのように話せる「AIコンパニオン」のアプリが人気に
2026年カリフォルニア州で、AIコンパニオンに「相手がAIだと知らせる」ことなどを義務づける法律が始まる

今のAIとのつきあい方

それでは最後に、今のAIとのつきあい方を見ていきましょう!

「感じているのは自分の側」と知っておく

大切なのは、AIの言葉に心がこもっているように感じるのは、自分の側の働きだと知っておくことです。

「分かってくれている」と感じるのは、悪いことではありません。人間として、とても自然な反応です。

ただ、その感覚がどこから来ているのかを知っているだけで、AIとの距離のとり方がぐっと上手になります。

AIは道具として上手に使う

AIは、相談相手や、考えを整理する道具として、とても役に立ちます。

頭の中のモヤモヤを書き出して、AIに整理してもらう。誰にも言えない小さなグチを聞いてもらう。そんな使い方で気持ちが軽くなるなら、どんどん使ってよいと思います。

ただ、大事な決断や、心の悩みを、AIだけに頼るのは避けましょう。

迷ったときは、信頼できる人や、専門家にも相談する。

AIも、人とのつながりも大切にする

AIに向いている使い方AIだけに頼らないほうがよいこと
考えを整理する・言葉にする進学・就職・お金などの大事な決断
ちょっとしたグチを聞いてもらう深い心の悩み
情報を調べるきっかけにする健康や法律など、専門家の判断が必要なこと

AIがもっともらしいウソをつく「ハルシネーション」については、以下の記事で解説しています。

生成AIでハルシネーションが起きる原因と対策について解説!当サイト【スタビジ】の本記事では、生成AIにおけるハルシネーションとは何かについて具体的な事例や原因、さらには対策方法を交えて分かりやすく解説していきます!

AIの心地よさを上手に使いながら、人とのつながりも大切にすること。

それがいちばんなんです!

イライザ効果のまとめ

最後に、今回のポイントをおさらいしましょう!

ウマたんウマたん

要は、AIに心を感じるのは自然なこと。だからこそ、その仕組みを知って、上手につきあうことが大切なんです!ぜひ、AIと話すときに、今回の話を思い出してみてください!

AIの仕組みを知って、AIと上手につきあえるようになりたいのであれば、当メディアが運営するスクール「スタアカ」がオススメです!

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ウマたんスタビジ編集長

大学院は理系の統計科学研究室で、ベイズ統計学・時系列分析・異常検知を研究。日系・外資の消費財メーカーのデータサイエンティストを経て、現在は会社を経営しながらデータサイエンティストとして働いています。

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