期待値とは?意味と求め方を、サイコロ・宝くじ・機械学習の例で分かりやすく解説!

目次
ウマたん当サイト【スタビジ】の本記事では、「期待値」について分かりやすく解説していきます!意味と求め方から、宝くじの計算、機械学習での使われ方、日常で役立つ考え方まで見ていきましょう!
こんにちは!ウマたんです!
宝くじを買うか迷ったり、新しいことに挑戦するか悩んだり。
僕たちは毎日、結果が分からない中で、いろいろな選択をしていますよね。
そんなときに頼りになるのが「期待値」という考え方です。
ギャンブル、投資、日常生活と、実はいろんな場面に期待値が関係しているんです。
期待値って数学で習った気がするけど、何を表しているのかよく覚えてない…
データ分析やAIでも期待値が出てくるって聞いたけど、どう使われているの?
本記事では、次の5つを順番に解説していきます。
以下のYouTube動画でも解説していますので、あわせてチェックしてみてください!
期待値とは?
期待値とは、ある行動を繰り返したときに、平均的にどれくらいの結果が得られるかを表す数値です。
1回1回の結果は予測できなくても、長い目で見れば平均は安定してきます。
その「平均的な見込み」こそが期待値なんです!
サイコロの期待値は3.5
たとえば、サイコロを振って出る目の期待値はいくつになるでしょうか?
サイコロの目は1から6まであり、それぞれが出る確率は1/6です。
期待値を計算すると、1〜6の合計を6で割って、
となります。
もちろん、1回だけ振れば、2が出ることもあれば6が出ることもあります。3.5という目は、そもそも出ませんよね。
でも、何回も振り続けると、出た目の平均は3.5に近づいていくんです。

最初の数回は、平均が2になったり5になったりと大きくぶれています。
それが、100回、1,000回と振るうちに、どの線も3.5のまわりに落ち着いていきますね!
1回はばらばらでも、平均は安定する
この「1回はばらばら、でも平均は安定する」という様子は、次の図を見るとよく分かります。

1回振っただけなら、1から6のどれが出るかはまったく読めません。
ところが、100回振った平均を何度も調べてみると、ほとんどが3.2〜3.8くらいの範囲に収まるんです。
1回の結果は運しだいでも、たくさん繰り返せば、結果の平均は期待値の近くに落ち着く。
この性質は「大数の法則」と呼ばれていて、期待値が「長い目で見たときの平均」と言われる理由になっています。
大数の法則について分かりやすく解説しPythonで検証!中心極限定理に繋がる法則とは?当サイト【スタビジ】の本記事では、大数の法則について解説してきます。大数の法則とはサンプルサイズnが大きくなることで、標本平均は母平均に近似できる性質を指します。今回はコインの例を使いつつ、大数の法則を見ていきたいと思います!有名な中心極限定理にも繋がる大事な大数の法則をおさえておきましょう!
期待値の求め方
数学的には、期待値は「それぞれの結果 × その結果が起きる確率」をすべて足し合わせたものです。
結果を 、それぞれが起きる確率を とすると、期待値 は次のように書けます。
は、期待値を英語で言った「Expected value」の頭文字です。
先ほどのサイコロなら、 と、6まで全部足していって3.5になります。
| 出る目 | 確率 | 出る目 × 確率 |
|---|---|---|
| 1 | 1/6 | 1/6 |
| 2 | 1/6 | 2/6 |
| 3 | 1/6 | 3/6 |
| 4 | 1/6 | 4/6 |
| 5 | 1/6 | 5/6 |
| 6 | 1/6 | 6/6 |
| 合計 | 1 | 21/6 = 3.5 |
これが期待値の基本の公式です!
確率がばらばらなときこそ公式の出番
サイコロは、どの目も同じ確率なので「合計 ÷ 6」でも求められました。
でも、結果ごとに確率がちがうときは、公式どおり「結果 × 確率」を足す必要があります。
たとえば、こんなくじを考えてみましょう(説明のための例です)。
| 結果 | もらえる金額 | 確率 | 金額 × 確率 |
|---|---|---|---|
| 1等 | 1,000円 | 1% | 10円 |
| 2等 | 100円 | 10% | 10円 |
| はずれ | 0円 | 89% | 0円 |
| 合計 | 100% | 20円 |
このくじの期待値は20円です。
つまり、1回30円のくじなら、引けば引くほど、平均して1回あたり10円ずつ損をしていくというわけです。
Pythonで計算・確認してみよう
Pythonでも、サイコロの期待値を計算してみましょう。
公式で計算した値と、実際にたくさん振ったときの平均をくらべてみます。
import numpy as np
# 計算で求める:各結果 × その確率 を全部足す
values = np.array([1, 2, 3, 4, 5, 6])
probs = np.full(6, 1/6)
print("計算した期待値:", np.sum(values * probs))
# シミュレーションで確かめる:たくさん振って平均を取る
rng = np.random.default_rng(0)
for n in [10, 100, 10_000, 1_000_000]:
rolls = rng.integers(1, 7, size=n)
print(f"{n:>9,}回振った平均:{rolls.mean():.3f}")
計算した期待値: 3.5
10回振った平均:2.800
100回振った平均:3.670
10,000回振った平均:3.505
1,000,000回振った平均:3.502
10回では2.8とずれていますが、100万回振ると3.502。計算どおりの3.5にほぼ一致しましたね!
期待値と平均のちがい
ここで、「期待値と平均って同じじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。
似ていますが、少しだけちがいます。
| 期待値 | 平均(データの平均) | |
|---|---|---|
| 何から計算する? | 確率(理論上のしくみ) | 実際に集めたデータ |
| サイコロの例 | どの目も1/6で出るから、3.5 | 10回振ったら、たまたま2.8 |
| 値は変わる? | 変わらない | データを取り直すたびに変わる |
期待値は「理論上の平均」、データの平均は「実際に試してみた結果の平均」です。
そして、データの数を増やすほど、データの平均は期待値に近づいていきます。
足し算できるのも便利なところ
期待値には、足し算がそのまま使えるという便利な性質があります。
たとえば、サイコロを2個振ったときの合計の期待値は、 です。
2個の目の組み合わせを36通り全部書き出さなくても、すぐに求められるんですね。
なお、サイコロの目のように、とびとびの値をとる場合は「足し算」で期待値を求めます。身長や時間のように、連続した値をとる場合は、足し算のかわりに積分を使います。
ここで は、どの値がどれくらい出やすいかを表す「確率密度関数」です。確率分布については、以下の記事で解説しています。
確率分布について離散型・連続型を分かりやすく解説!当サイト【スタビジ】の本記事では、確率分布について解説してきます。確率分布は確率変数がとる値とそれに対応する確率を示したものです。確率分布は多岐にわたるので、しっかりと基本を押さえましょう!今回は確率分布の定義を解説しつつ、これらの関係性について分かりやすく解説していきます!
宝くじの期待値を計算してみよう
ここで、もう少し現実的な例を見てみましょう。
宝くじが1枚300円で、当選金は1億円、当たる確率は1,000万分の1だとします(説明のために単純にしたものです)。
期待値はどうなるでしょうか?
期待値は、たったの10円です。
つまり、300円払って、平均10円しか戻ってこない。そんなギャンブルになるんですね。
実際の宝くじの期待値は?
実際の宝くじには、1等のほかにもたくさんの等級があるので、期待値はこの例よりは高くなります。
それでも、宝くじの当せん金の合計は、法律(当せん金付証票法)で、発売総額の5割を超えてはいけないと決められています。
つまり、1枚300円の宝くじなら、期待値はどんなに高くても150円まで。
実際に当せん金に回っているのも、発売総額の5割弱です(2026年10月時点で総務省の資料から確認できる範囲)。
宝くじが「夢を買うもの」と言われるのは、この期待値の低さに理由があるんです。
期待値が同じでも「ばらつき」はちがう
ただし、期待値だけで良し悪しがすべて決まるわけではありません。
たとえば、次の2つをくらべてみましょう。
| 結果 | 期待値 | |
|---|---|---|
| A | 必ず100円もらえる | 100円 |
| B | 50%の確率で200円、50%の確率で0円 | 100円 |
どちらも期待値は100円ですが、Bは0円になることもあります。
期待値が同じでも、結果のばらつき(リスク)の大きさはちがうんです。
このばらつきの大きさを表すのが「分散」や「標準偏差」です。期待値とセットで見るようにしましょう。
標準偏差と分散の違い・求め方をわかりやすく図で解説!当サイト【スタビジ】の本記事では、標準偏差と分散について解説していきます!標準偏差と分散は「データの散らばり具合を示す」重要な指標となっています。今回は標準偏差と分散の求め方と違いについて解説しつつ、Pythonで実装していきます!
データ分析・機械学習での期待値
期待値は、データ分析やAIの世界でも、あちこちに出てきます。
データの平均的な傾向をつかむ
データ分析では、データの平均的な傾向を表すときに、期待値の考え方が必ず出てきます。
たとえば、アンケートの結果の平均点を計算するのは、まさに期待値を推定していることになります。
そして、アンケートに答えてくれる人(サンプル)が増えれば増えるほど、その平均点は、全体(母集団)の本当の期待値に近づいていくわけです。
機械学習は「誤差の期待値」を小さくする
機械学習のモデルも、期待値を使って学習しています。
モデルの予測のずれ(誤差)を期待値として計算し、それが最小になるように学習させるんです。
たとえば、よく使われる「平均2乗誤差(MSE)」は、予測と実際の値の差を2乗して、平均したものです。
は実際の値、 はモデルの予測です。
つまり、機械学習では「誤差の期待値」を、できるだけ小さくするように調整されているんですね。
モデルの学習で使う「損失関数」については、以下の記事で詳しく解説しています。
損失関数とは?機械学習で精度の高いモデルを作れるようになろう!当サイト【スタビジ】の本記事では、損失関数について解説していきます!機械学習手法を学ぶ上で非常に重要な考え方なので、ぜひ押さえておきましょう!
強化学習は「報酬の期待値」を大きくする
さらに強化学習では、将来もらえる報酬の期待値を最大にすることがゴールです。
チェスや囲碁でAIが強いのも、いろいろな手を打ったときの結果を見積もって、最も期待値が高い(勝ちにつながりやすい)手を選んでいるからなんです。
| 分野 | 期待値の使われ方 |
|---|---|
| データ分析 | データの平均的な傾向をつかむ(平均点、平均購入額など) |
| 機械学習 | 予測の誤差の期待値を、できるだけ小さくする |
| 強化学習 | 将来の報酬の期待値を、できるだけ大きくする |
| ビジネス | 施策ごとの利益の期待値をくらべて、どれをやるか決める |
日常生活で使える「期待値思考」
実は、期待値は日常生活でも役に立ちます。
やるかやらないかを「期待値」で考える
たとえば、新しいスキルを学ぶかどうか迷っているとします。
そんなときは、次のように考えてみましょう。
ポイントは、プラスの要素を「うまくいく確率」と合わせて見積もることです。
たとえば、「うまくいけば大きなリターンがあるけど、その確率は低い」のか、「リターンはそこそこだけど、ほぼ確実に得られる」のかで、期待値は変わりますよね。
結果が分からないときこそ、「起こりうる結果 × その確率」で考えるクセをつけておくと、迷ったときの判断がぐっとしやすくなります!
期待値思考の注意点
ただし、期待値思考にも注意点があります。
たとえば、宝くじは期待値だけを見ると損ですが、「当たったらどうしよう」とワクワクする時間を楽しむ、という考え方もありますよね。
数字だけで決めるのではなく、判断の材料のひとつとして、期待値を使いこなすのがおすすめです!
期待値のまとめ
最後に、今回のポイントをおさらいしましょう!
ウマたん要は、期待値とは「長い目で見たときの平均的な結果」なんです!ぜひ日常の選択をするときに、「これって期待値がプラスかな?」と考えてみてください!
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