消費財メーカーでデジタルマーケティングをやっているウマたん(@statistics1012)です。
マーケティングの世界では、従来のマスマーケティングからデジタルマーケティングを中心としたコミュニケーションが増えてきています。
デジタルシフトが進められた現在の世の中では、ユーザーの行動や属性などが蓄積され、より個人に即したコミュニケーションができるようになってきているのです。
それに伴い、ECサイトなどであなたにオススメの商品はこれ!と紹介されたり、ニュースキュレーションサービスでフィードが自分の興味のある情報だけになっていたり、身近なところでどんどん個人にパーソナライゼーションされた世界になってきているんです。(これを気持ち悪いという人もたくさんいますが・・・)
ちなみに何気なく使っているインスタグラムのストーリーも更新順ではなくて良く観る順に並んでいて、個人の興味にパーソナライゼーションされていっているんですよー。
企業でデジタルマーケティングを行う身としてもレコメンドやパーソナライゼーションは非常に重要な課題。
そこでこの記事では、レコメンド・パーソナライゼーションの今後について個人的な見解を考えていきたいと思います。レコメンドロジックの話はここではしませんので悪しからず。
ちなみにレコメンドのロジックについてはこちらの記事に詳しくまとめていますのでよければご覧ください。
レコメンド・パーソナライゼーションの正解とは
そもそも考えなくてはいけないのは、レコメンド・パーソナライゼーションの正解とは何か?
いつも見ている商品や情報を提供されても、ある意味当たり前のレコメンド・パーソナライゼーションで何の面白みもありません。
全く自分の頭の中に無かったものを興味喚起されるような出会いを提供するのが、本当のレコメンド・パーソナライゼーションであると考えています。
一種のセレンディピティ(偶然の出会い)、ビビッとくるような感覚を与えるのが究極のレコメンドなんです。
レコメンドロジックとして最もよく用いられている協調フィルタリングでは、そのようなセレンディピティが起こりやすいとされていますが、それでもロジックを基にした機械的なレコメンドにはセレンディピティの限界があるんですよね。
結局行動ベースレコメンドに近くなっていってしまう(普段1か月に1個シャンプーを購入していたら、1か月後に必ずシャンプーをレコメンドする)
実際そのようなレコメンドは購入率が高く、効果も高い。
しかし、もしかしたらそれはレコメンドしなくても購入したかもしれないのでレコメンドの効果が100%とは言えないかもしれない。
非常に高い確率で買ってもらえる商品をレコメンドするよりも、実は全く新しい商品をレコメンドして購入はしなくても興味を持ってもらうことの方がLTVの観点からは良いかもしれないわけです。
これをどう乗り越えるかがレコメンドやパーソナライゼーションの課題ですよね。
レコメンドやパーソナライゼーションの究極は信頼?
統計を専門に研究しており、デジタルマーケティングに従事している人間が言う言葉ではないかもしれませんが、究極のレコメンドはアルゴリズムで解明できないエモーショナルな部分にあるのではないかと考えるわけです。
みなさん、見知らぬ人から服をオススメされるのと良く行く行きつけのお店の顔なじみの店員さんから服をオススメされるのでは、どちらを選びますか?
仮に全く同じ服をお薦めされたとしても、顔なじみにの店員さんからのレコメンドの方が「高い精度のレコメンドだ」と感じるはずです。直接的にそんな風には思わないかもしれませんが、「やっぱり分かっているなー」と思うわけです。
レコメンドの精度とは結局のところ客観的な指標ではなく、主観的な指標。主観的にどうかじたかが大事なんです。
レコメンドはロジックと信頼を足したものであり、ロジックの精度はこれからの世の中でほぼ均衡していくはずなので、大事なのは信頼の部分になっていきます。
レコメンド=ロジック+信頼
では、信頼を獲得するにはどうすれば良いか?
しっかりユーザーのことを考えてレコメンドをする日々の寄り添いが大事だと考えています。
今後はレコメンドやパーソナライゼーションをする上で寄り添った方法で信頼を獲得していくことが大事なんです。
同じレコメンドをするとしても、その裏にはあるコンテキストを提供してレコメンドしてあげることでユーザーの受け取り方は全然違う。
なぜそのレコメンドを行うのか。レコメンドの理由まで付加してあげるんです。
レコメンド・パーソナライゼーションのこれから まとめ
レコメンド・パーソナライゼーションについて個人的な考えをつらつらと書き連ねてきましたが、あくまで個人的な意見で正解ではありません。
是非、レコメンド・パーソナライゼーションについて何か意見のある方は教えてくれると助かります。
ただ、やはりこれからのレコメンド・パーソナライゼーションには”信頼”という要素が非常に重要になってくるのであろうなと思っています。
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