こんにちは!消費財メーカーでデジタルマーケターやってるウマたん(@statistics1012)です!
昨今、個人情報の問題が色々と騒がれていますが、それにより注目を浴びているのが情報銀行という仕組み。
情報を資産として捉え、それを提供ユーザーに還元する仕組みが情報銀行なのです。
この記事では、情報銀行に関してまとめていきたいと思います。
情報銀行登場の背景
情報銀行登場の背景にはどのような要因があるのでしょうか?
過激なパーソナライズ・トラッキング
多くの人がインターネット上で様々な行動を行うようになり、個人に紐づくデータが簡単にトラッキングできるような世の中になりました。
Googleで検索をし、Amazonで買い物をし、Facebook・Instagramで友達と交流する。そんな行動をしているうちに、その人の趣味・嗜好なんて簡単に分かってきてしまうのです。
そんな膨大な情報を使って、各企業が様々なパーソナライズ施策を打ち出しています。特にインターネット広告のターゲティングは日に日に過激になってきており、それに気持ち悪さを感じる消費者が増えてきています。
GDPR
そんな個人に紐づく情報を牛耳っているのは、GAFAと呼ばれるアメリカの巨大IT企業「Google・Amazon・Facebook・Apple」
それらの企業が情報を使ってぼろ儲けしていることに嫌悪感を抱いたEU諸国は個人情報保護法を訴えます。
GDPRとはEU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation)のことで、2016年4月にヨーロッパで制定され、2018年5月に施行されました。
GDPRの施行により、個人に紐づく情報の取得にはユーザーの承諾が必要になりました。
以下に詳しくまとめています。
ITPの施行
さらに加えて、Appleが施行し始めたITPという問題。
ITPとはIntelligent Tracking Preventionの略で、Safariブラウザでのトラッキングを抑制する仕掛けです。
日本ではSafariユーザーが非常に多いため、デジタルマーケティングの領域は非常に大きな影響を受けることになります。
ITPに関しては以下の記事に詳しくまとめていますので良ければご覧ください!
これらの問題から様々な企業・国が個人情報の在り方に対してスタンスを変えてきていることがうかがえます。
これに対してユーザーに便益を提供することで、Win-Winなエコシステムを作ろうとしているのが情報銀行なのです。
情報銀行が成り立つためには
さて、そんな情報銀行、個人的には素晴らしいエコシステムだと思っています。
今まで一方的に搾取されるだけであった情報が、しっかり消費者に便益が提供されることになる。それによって、情報の活用はより促進されると思っています。
しかし、そんな情報銀行が成り立つためにはいくつか乗り越えなくてはいけない壁があるのも事実でしょう!
認知
まずは、認知の問題。
いくら情報銀行が素晴らしいエコシステムを作り上げたとしても、それが消費者に認知されなければ活用もされず、消費者の情報が集まらなければ、そんな情報銀行を活用する企業も現れない。
いくつも情報銀行が存在する状態だと結局利便性が低く上手く浸透しないような気がしています。
まあ最近のPay系サービスのように、複数企業が参入して戦国時代に突入するかもしれませんが、数年たてば数社が覇権をにぎることになるでしょう。
ベネフィット
しっかりユーザーに対してベネフィットを提供できるか、正直ここが一番大事なポイントですよね。
ユーザーへ還元するベネフィットの在り方としては、「お金のパターン」もあれば「パーソナライズが進むというパターン」もある。
そのベネフィットが明確に消費者に伝わるかどうかですね。複雑で煩雑なシステムを作り上げてしまうと上手く機能しないのが目に見えています。
信頼性・安全性
もちろん情報を信頼して使ってもらうわけですから、信頼性・安全性は必ず追求されます。
ブロックチェーン技術を使って非中央集権的に個人情報を管理した方がいいのかな?
とにかく、信頼性・安全性は必ず乗り越えなければいけない壁ですね。
実は情報銀行は昔から言われている?
これまで、情報銀行はあたかも最近になって物凄く聞かれるようになった言葉のように使ってきましたが、実は昔から多くあるようですね。
Googleトレンドを見るとむしろ検索ボリュームは右肩下がり・・・笑
個人情報の話って振り子のように行ったり来たりしてるんですよね。
情報銀行 まとめ
情報銀行について簡単にまとめてきました。
情報銀行は、全てのステークホルダーにとってWin-Winであり、今まで情報を搾取されるだけであった消費者にとって非常に便益のある仕組みです。
ただ、情報銀行という言葉自体は昔からあるようで、これをどのように実現していくかはまだまだ様々なハードルがありそうです。