多変量解析

正則化

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正則化手法についてざっくりと説明していきます。

正則化とは、目的関数に対して最適化したいパラメータの関数を追加することでパラメータを安定的に推定する方法です。

この追加したパラメータの関数の部分を正則化項(あるいは、罰則項・罰金項)と呼びます。

イメージとしては次の式になります。
$$(目的関数)+(パラメータに関する関数)$$
例えば、回帰分析について見てみましょう。

サンプルサイズを\(n\)、パラメータ数を\(p\)、\(n\)次元の目的変数ベクトルを\({\bf y}\)、\(n\)×\(p\)次元の計画行列を\({\bf X}\)、\(p\)次元の回帰係数ベクトルを\({\bf \beta}\)、\(n\)次元の誤差ベクトルを\({\bf \epsilon}\)とすると、回帰分析のモデルは次の式のようになります。
$${\bf y}={\bf X}{\bf \beta}+{\bf \epsilon}$$
この式を最小二乗法で解くときの関数は次の式のようになります。
$$\|{\bf y}-{\bf X}{\bf \beta}\|_2^2$$
この式では、求めたいパラメータは回帰係数ベクトル\({\bf \beta}\)なので\({\bf \beta}\)の関数\(\rho({\bf \beta})\)を追加した関数を最適化することで正則化できます。つまり、次のような式を最適化することになります。
$$\|{\bf y}-{\bf X}{\bf \beta}\|_2^2+\rho({\bf \beta})$$
\(\rho()\)は何かしらの関数の形を表します。

例1:Ridge(リッジ)回帰
Ridge回帰とは正則化項\(\rho({\bf \beta})\)に\(L_2\)ノルムを用いる方法です。最適化する式は次のようになります。
$$\|{\bf y}-{\bf X}{\bf \beta}\|_2^2+\lambda\|{\bf \beta}\|_2^2$$

例2:Graphical Lasso(グラフィカル・ラッソ)
Graphical Lassoとは精度行列\({\bf \Omega}\)の最尤推定の関数に正則化項\(\rho({\bf \Omega})\)として\(L_1\)ノルムを追加して解く方法です。最適化する式は次のようになります。
$$tr({\bf \Omega}{\bf S})-log|{\bf \Omega}|+\lambda\|{\bf \Omega}\|_1$$

正則化手法を用いことで得られるものは多くあります。

その一つとして、\(L_1\)ノルムの正則化項を用いたスパース推定について他のページでもう少し詳しく説明していきます。

線形回帰とLasso・Ridgeの比較については以下の記事をご覧ください!

Lasso(ラッソ)回帰・Ridge(リッジ)回帰を線形回帰と比較して実装してみよう!当サイト【スタビジ】の本記事では、線形回帰・Lasso(ラッソ)回帰・Ridge(リッジ)回帰についてRでの実装も行いながらまとめていきます。高次元データを分析する際はぜひLasso(ラッソ)回帰・Ridge(リッジ)回帰を利用してみてくださいね!...
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