こんにちは!AI・デジタル時代を生き抜く強い人材を増やすために当メディア「スタビジ」というメディアや「スタビジアカデミー」というサービスでAI・データサイエンスについて発信しているウマたんです。
今回持ち帰って欲しいAIデジタル時代を生き抜く上でのキーワードは
「民主主義を新たにアルゴリズム×データでデザインする必要がある」
です。
ということで、今回は成田悠輔氏の書籍「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」を読んだ上でこの書籍の内容について解説していきたいと思います。
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以下の動画でも解説していますので是非ご覧ください!
成田悠輔氏
まず、著者の成田さん、本職はイエール大学の助教授でありながらデータやアルゴリズムを軸とした半熟仮想株式会社の代表も務めており、アカデミックにもビジネスにもあかるい超天才です。
そして世間に迎合しない歯に衣着せない物言いで人気を博しており、個人的に大好きな著名人の一人です。
上記のYoutube動画のプレゼン見てみてください。複雑な話を皮肉交じりにめちゃくちゃおもしろく退屈させずに話していてスゴイです。
専門は統計学の中でも統計的因果推論と呼ばれる領域で、色んな施策が果たして効果があったのかを統計的に検証するわけですけど、成田さんはその中でも公共政策に対しての効果検証を主に研究ではやっています。
公共政策なんてのは、かなり複雑な要素が絡み合っていて、様々な外部要因やしがらみの中から生まれるため因果推論のターゲットとしてはかなり難しい。
そもそも効果検証に値する実験デザイン設計が相当難しいはずです。
ちなみに半熟仮想株式会社という会社名は因果推論の中で登場する反実仮想というキーワードを文字ってます。
22世紀の民主主義の課題とは?
さて、そんな成田さんが執筆した「22世紀の民主主義」はどのような内容になっているのでしょうか
この書籍の中では、
・民主主義がいかにイケていないのか?
・どんな課題があるのか?
・そしてその課題をどうやって解決していくことができるのか?
についてまとめられています。
ここでは、まずはどんな課題が存在するのか整理していきましょう。
そしてその課題を解決するための方法としていくつか取り上げられているもののうちデータ×アルゴリズムすなわちAIによる解決アプローチについて取り上げて解説していきたいと思います。
シン・ニホンという書籍の中でも安宅さんが、
AI=計算機×データ×アルゴリズム
と分解していました。
そうAIとはこの3要素なのです。
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シン・ニホンについては是非以下の動画を見てみてください。
まず、民主主義が内包する課題について考える際に資本主義と民主主義の関係性を整理することからはじめましょう。
資本主義は経済の発展になくてはならないものですが、あまりにも経済格差を生んでしまうのが問題。そこで経済的弱者にも平等に声を与えるのが民主主義の仕組みです。
一定の時期まではこの両輪で経済発展と政治が上手くまわりワークしてきたのですが、今世紀に入ってからの20年強の経済を見ると、民主主義的な国ほど、経済成長が低迷しつづけているようなのです。
民主主義は一人一人に平等の声を与えます。そうなると多数派セクターの声が採用されることになります。
つまり、残りの未来が長い若い世代が多い時代においてはこの先数十年を見据えた経済政策が採択されて長期的な経済にも良い影響を与えて資本主義と民主主義が上手くはまるのですが、残りの未来が少ない世代が多い時代に突入すると突如と未来を見据えた政策ではなく近視眼的な経済政策しか採択されず長期的な経済政策が打てず先細り的に資本主義が停滞していってしまうのです。
この現象が21世紀にはいってから多くの先進国で起こっているのです。
日本を見ればこのような現象が起きているのは自明でしょう。
しかしこれは人口分布的にやむをえません。
もちろん若者の未来のために奮闘してくれている年配の方々もいますが、平均的な民意を取るとどうしてもお年寄りファーストの政策になってしまう。
これは民主主義の構造上の課題です。
では、どうすればよいのか?
次から見ていきます。
システム崩壊している民主主義を改善するアプローチ
課題の解決策として、書籍の中では多くのアプローチが語られます。
具体的には
・民主主義との闘争
・民主主義からの逃走
・そしてまだ見ぬ民主主義の構想
の3つ。
その中でも特に興味深いのが最後のまだ見ぬ民主主義の構想です。
この民主主義の構想というのは、意思決定は全て自動化・機械化されたアルゴリズムにゆだねてしまおうというアプローチ。
成田さんはこう言っています。
「集めたデータから各論点・イシューについての意思決定を導き出すのは、自動化・機械化された意思決定アルゴリズムである。意思決定は各論点・イシューについて行われる。政党や政治家についてではなく、だ。意思決定アルゴリズムのデザインは、人々の民意データに加え、GDP・失業率・学力達成度・健康寿命・ウェルビーイングといった様々な政策成果指標を組み合わせた目的関数を最適化することで行われる。」
AIの進化が早く、今後多くのタスクをAIが代替していくと思いますが、一般的にはその中でも政治の意思決定はまだまだ難しそうだと思われています。
しかし本当にそうでしょうか?
もはや、現段階でも政治家よりもAIの方が一般的に正しい判断をすると思います。
ねじれた派閥争いや既得権益がない分、より理想的な意思決定をAIはしてくれるでしょう。
ただ、政治家の役割として民衆の怒りの矢面に立つという面もあります。
これは本質ではありませんが、このような面を政治家が担っているのは事実であり、AIが全て意思決定をするようになってしまうとこのような対象がいなくなり怒りのはけ口がなくなってしまう。
そこで成田さんはそのような役割はゴキブリなどの嫌われたマスコットキャラクターにさせておけばいいといいます。これは面白い。
さすがに極論だとしても、このようにAIを頼りながらの政策意思決定を徐々に浸透させていき、政治に関わる人はできるだけ減らしていくべきだと思ってます。
ただ、ここで大事になってくる論点がデータの取得方法と目的関数の設計方法です。
アルゴリズムはおそらく現段階でもかなり正しい意思決定ができるレベルまで来ているでしょう。少なくとも人間よりは。
しかしアルゴリズムに食わせるデータがなければ良いアウトプットは出せません。
成田さんの言う民意データをどのように取得するのか課題が多く生じるポイントでしょう。
また、いくら民意データを取得しても母集団を変えなければ結局若い人にとって良い政策決定ができるとは限らないので、成田さんの言う通り多角的な指標を元にした長期的な視点で目的関数をデザインする必要があります。
ということでまだまだ道のりは長いとは思いますが、AIの力で民主主義をリデザインできる日は近いかもしれません。
それを目指してAIデータサイエンスを学んでいきましょう。
22世紀の民主主義 まとめ
ということで今回は、「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」についてお話してきました。
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・今世紀に入り民主主義が停滞し資本主義もそれにあわせて停滞している
・政治の意思決定は全て自動化・機械化されたアルゴリズムにゆだねてしまおう
・データの取得方法と目的編関数の設計方法が大事
少しでも参考になれば幸いです。是非面白い本なので興味のある方は手にとってみてくださいー!
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