こんにちは!都内の消費財メーカーでデジタルマーケターやってるウマたん(@statistics1012)です!
本日は、広告の効果測定に多大な影響を与えるアトリビューションモデルについて見ていきましょう!
目次
アトリビューションモデルとは
突然ですが、みなさんは商品を購入する時どんな行動をしていますか?
例えば、あるドライヤーを購入する時の行動パターンを見ていきます。
新たなドライヤーが欲しいなーと思い、ネットで比較サイトで調べてみる
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ドライヤーAのサイトにたどり着く。ふむふむなるほどー良さそう。まだ買わない
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インスタグラム見ていたら、まさにドライヤーAの広告が出てくる。クリックしてみる。今ちょうどお得なキャンペーンやっているのかー!まだ買わない
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1週間後ネットサーフィンしてたらドライヤーAのバナー広告が出てくる。クリックしてみる。あーそういえばドライヤー欲しいんだった。どうしようかな。一旦考えよう。
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3日後、Googleで商品指名検索してリスティング広告をクリック。よし!ECでドライヤーA購入!
これはあくまで一例ですが、消費者の行動パターンは非常に複雑で、購入に至るまでに様々な情報に触れていることが当たり前です。
そして、従来は消費者とのタッチポイントがTVや雑誌・屋外広告など、データで測りにくいモノでした。
しかし、デジタル広告が当たり前になってきている現在、上記のような全てデジタル上で完結する行動に関してはタッチポイント貢献度の効果測定が可能なのです。
そして、それぞれのタッチポイントの貢献度を可視化したモデルをアトリビューションモデルと言います。
アトリビューションは英語で帰属という意味。
最終的なコンバージョンはどの要因に帰属するのかを把握するために有用なモデルなのです。
アトリビューションモデルの種類
さて、一口にアトリビューションモデルと言ってもいくつかの種類があります。
それは、タッチポイントの貢献度の比率をどのような割合にするかという問題。
例えば、以下のように
広告A→広告B→広告C→自然検索→購入
とユーザーが行動した場合(それぞれは異なるセッション)、それぞれのタッチポイントに対する貢献度合いはどのようにするべきでしょうか?
1.ラストクリック
広告A | 0% |
---|---|
広告B | 0% |
広告C | 0% |
自然検索 | 100% |
ラストクリックの自然検索のみに100%貢献度が割り振られ、他のタッチポイントは0%になるモデル。
この設定が最も一般的でアナリティクスツールのデフォルト設定になっています。これでは、コンバージョンに最終的に寄与したタッチポイントしか見ることができません。
2.ファーストクリック
広告A | 100% |
---|---|
広告B | 0% |
広告C | 0% |
自然検索 | 0% |
ラストクリックの逆で、ファーストクリックのみに貢献度が割り振られるモデル。
ファーストクリックで広告の効果を評価してしまうと、ROIが悪くなってしまうので、効率を求めるならあまり向いていません。
3.広告のラストクリック
広告A | 0% |
---|---|
広告B | 0% |
広告C | 100% |
自然検索 | 0% |
広告の中でのラストクリックを見ます。そのため、この場合は広告Cに貢献度全振り!
広告主はSEOやCRMの効果も知りたいので、全体のタッチポイントで見ることもありますが、広告代理店なら広告以外のチャネルは取っ払いたいですよね!
4.線形アトリビューション
広告A | 25% |
---|---|
広告B | 25% |
広告C | 25% |
自然検索 | 25% |
今までのは、アトリビューションと言っておきながら一つの要素に貢献度が全振りされてしまっていました。
今回の線形は、全ての要素に均等に貢献度を割り振ります。25%ずつ!
全てのタッチポイントが均等に測られるのは無難ではありつつも、途中のタッチポイントと直接コンバージョンに至ったタッチポイントの評価が同じでいいのかという疑問は若干残ります。
5.減衰アトリビューション
広告A | 10% |
---|---|
広告B | 20% |
広告C | 30% |
自然検索 | 40% |
これは、コンバージョンに近いタッチポイントほど貢献度を高くするモデルになっています。
ラストクリックの貢献度は高いはず、だけど100%割り振るのは違う気がする・・という時に有用ですね。
6.接点ベース アトリビューション
広告A | 40% |
---|---|
広告B | 10% |
広告C | 10% |
自然検索 | 40% |
このモデルでは、ファーストクリックとラストクリックの貢献度を40%ずつにし、残りを途中のタッチポイントで均等に割り振ります。
潜在顧客にアプローチすることができた最初の接点とコンバージョンに至らせた最後の接点を高く評価するというモデルは納得感がありますね!
結局どのアトリビューションモデルを使えばよいの?
確かにこれだけアトリビューションモデルがあると、どれを使えば良いのか悩みますよね!
基本的には、
目的を明確にして
ラストに重きを置くのかファーストに重きを置くのかで使い分けます
ラストクリック→減衰アトリビューション→線形アトリビューション→ファーストクリックの順番でファーストの影響が強くなっていきます。
ファーストの影響が強くなると、認知系の広告・施策の評価が高くなります。購入に至らせる前のブランド醸成・認知度向上に予算を投下している場合は、ファーストの影響が強いモデルで評価すると良いでしょう。
そして、広告だけ見たい場合は「広告ラストクリック」、ファーストもラストも見たい場合は「接点ベース アトリビューション」を使いましょう!
アトリビューションモデル|まとめ
アトリビューションモデルは、デジタル広告が当たり前になり使われるようになってきた比較的新しい手法。
しかし、ユーザーのCookie情報が規制されるITPなどの流れにより測定が難しくなってきています!
ITPの記事はこちら!
是非、デジタル広告・施策を運用している際は、ユーザーがどのような行動導線を経てコンバージョンしているのか測れるようにしておきましょう。
ただその際は、なぜアトリビューションモデルが必要なのかを明確にしておくこと。目的のない手段ほど醜いものはないですからね!