デジタルマーケティング

ITPってなにが問題なの?広告業界・アフィリエイトに与える影響とは?

こんにちは!

デジタルマーケターとして働きながら兼業ブロガーとして活動しているウマです。

今回は簡単にITP(Intelligent Tracking Prevention)について考えていきたいと思います。ITPとはApple社が昨年2017年、IOS11.0にて実施した個人のプライバシーを守るための機能です。

2018年5月に施行されたヨーロッパのGDPRも個人情報を守るための施策であり、世の中的にそのような流れは一層促進するように見えますが、はたしてどうなのでしょうか?

GDPRに関しては以下の記事をご覧ください!

最近何かと話題のGDPRについて考えてみるみなさん、最近何かと話題のGDPRとは何かご存知でしょうか? 今回は様々な業界に大きな影響を及ぼしつつあるGDPRについて考えてみ...

ITPとは

そもそもITPとはなんでしょうか?

ITPとはIntelligent Tracking Preventionの略で、その名の通り過剰なデータのトラッキングを防止するよという機能です。

こちらのITP開発者のブログを見てみると・・・

ITP開発者のブログ

WebKit has long included features to reduce tracking. From the very beginning, we’ve defaulted to blocking third-party cookies. Now, we’re building on that. Intelligent Tracking Prevention is a new WebKit feature that reduces cross-site tracking by further limiting cookies and other website data.

サイトを横断した個人情報トラッキングを制限すると書いてあります。

みなさんもなぜか自分の趣味嗜好が特定されて、ファッションサイトのバナー広告ばかり出てくるなーと感じたことはありませんか?それ、あなたのブラウザがトラッキングされているからなんです。

それを俗にリターゲティングと言うのですが、ちょっとばかり、うっとうしいですよね?以前から過剰なリターゲティングは問題視されており、個人情報の保護がうんたらかんたら!と叫ばれていました。

しかし、リターゲティングはパーソナライゼーションとも言えるので、見方を変えるとTVCMなどのマスメディア広告ではなく、自分に合った広告になります。そう聞くとなんだか良い気もしないでもない。

技術の進歩と共にそれに対する反発は必ず起きるモノです。ただなんでも過剰なのはダメですよね。

さて、そのリターゲティングがITPによって出来なくなってしまうのではないか!?という問題が発生しています。

具体的には開発者ブログにも書いてありますが、サードパーティクッキー(3rd Party Cookie)が24時間経つと失われるようになるというモノ。クロストラッキングを制限するために、手始めにサードパーティクッキーに対して処理を行ったよと書いてありますね。

ん?サードパーティークッキーってなんでしょう?

サードパーティークッキーとは

そもそもクッキー(Cookie)とはなんでしょうか?美味しそう笑

クッキー(Cookie)とはユニークブラウザ(UB)を特定するために必要とする機能で、サイトを訪れたユーザーに付与することでそのユーザーの行動ログが取れます。

本来は、一度ユーザーが入力した情報を再訪した時に再度入力する手間がかからないようにするための機能です。

ただそのクッキーにはファーストパーティークッキーとサードパーティークッキーという曲者があり、今回問題となっているのはサードパーティークッキーです。

ファーストパーティークッキーとは、訪れたサイトそのものから付与されるクッキーです。サードパーティークッキーは、訪れたサイトではない関係者から付与されるクッキーです。

そんなこと可能なのでしょうか?開発者ブログに分かりやすい例が書いてありますね。

imagine a user who first browses example-products.com for a new gadget and later browses example-recipies.com for dinner ideas. If both these sites load resources from example-tracker.com and example-tracker.com has a cookie stored in the user’s browser, the owner of example-tracker.com has the ability to know that the user visited both the product website and the recipe website, what they did on those sites, what kind of web browser was used, et cetera. This is what’s called cross-site trackingand the cookie used by example-tracker.com is called a third-party cookie.

普段僕たちが何気なく見ているWebサイトにはバナー広告を始めとする様々な広告が貼ってありますよね。あの広告運用主は見ている私たちに対してクッキーを付与することができます。

ガジェットのサイトとレシピのサイトを見ている私たちに対して、双方のサイトに広告枠を持っている広告代理店などは私たちの情報を取得できるんです。

そうすると、今度私たちが別のページを見た時もその広告運用会社は私たちのクッキー情報を知っているので適切な広告を打てるという仕組みです。これにより我々は日々追跡されリターゲティングされているのです。

ITPによってどうなる?

ITPでは、機械学習手法であるSVM(サポートベクターマシーン)を用いてクロストラッキングを防ぎます。

A machine learning model is used to classify which top privately-controlled domains have the ability to track the user cross-site, based on the collected statistics. Out of the various statistics collected, three vectors turned out to have strong signal for classification based on current tracking practices: subresource under number of unique domains, sub frame under number of unique domains, and number of unique domains redirected to. All data collection and classification happens on-device.

以下の記事で技術的なことが詳しく述べられているので興味のある方は見てみると良いでしょう!

ITPの仕様と挙動について、あまり知られていないことを簡単に整理する

 

これによりITPが実装されているブラウザは、サードパーティークッキーの情報が24時間以内に失われるため、日をまたいだリターゲティングが難しくなります。

If the user interacted with example.com the last 24 hours, its cookies will be available when example.com is a third-party. This allows for “Sign in with my X account on Y” login scenarios.

This means users only have long-term persistent cookies and website data from the sites they actually interact with and tracking data is removed proactively as they browse the web.

そのため、リターゲティングの精度が下がる→広告主は出稿しない→クリック単価が下がる→媒体主が困る・GoogleAdsense使わないという流れが起きてきそうです。

また、アフィリエイトも問題です。アフィリエイトの仕組みは広告運用会社ASPが中間に入って、成果を測るというもの。ある媒体からリンクを踏んで広告主のページに飛ぶときにASPのクッキーが付与されていました。これはさきほどのリターゲティングとは違って、明確な意思を持ってユーザーがリンクを踏むため知らないうちに厳密にはクッキーが付与されているサードパーティークッキーとは言わないそう?

しかし、今回のITPではサイトを横断したトラッキングが制限されるということなのでこちらのASP付与のクッキーも規制対象になるそうです・・・複雑笑

これに対して、各社ASPは対策を行っています。様々な方法があり、導入が簡単なモノもあれば難しいモノもあります。

例えばバリューコマースをはじめとする大手ASP各社は、ブラウザ推定技術「ブラウザフィンガープリント」を用いています。

こちらの技術はユーザーのIPアドレスや属性データなど様々なデータの組み合わせでユニークブラウザを特定するというものです。非常に導入が簡単なのですが、精度が悪いということで問題になっています。

アフィリエイトによるトラック精度は広告主にとっても媒体主にとっても死活問題ですからね。

本来はASPがクッキーを発行するのではなく、広告主がファーストパーティークッキーを発行するべきで、それを行うと精度良くユーザートラッキングすることができます。Google Analyticsはその方法を取っているため、ITPの影響は受けません。しかし、この手法の問題点はアフィリエイトリンクからのLP全てにタグを設置しなくてはいけないこと。リンクごとに違うページに飛ばすような広告主の場合はタグ設置にものすごく労力がかかります。

ここで考えたいのがアフィリエイトの親玉、アマゾンアフィリエイトと楽天アフィリエイト。彼らは広告主であり、直接ユーザーの訪問を計測できるようにしているはずなので、元からファーストパーティークッキーを発行し、計測していた。だからITPの影響は受けないと考えています。

こちらに関しては色んな情報があり、多くの方が様々な意見を言っていますが、果たしてどうなのでしょうか?しかし、僕が運営しているブログでも極端に楽天アフィリエイトの成果が落ちているということはありません。

まとめ

ITPに関して分かっていただけたでしょうか?

今のところサードパーティークッキーは24時間以内に消えるとしていますが、今後それすらなくなり「サードパーティークッキーは付与されない」という機能にしていくそう・・・

→とうとうITP2.0が発表され危惧していたことが起こりそうです。以下の記事で詳しくまとめています。

ITP2.0がとうとう施行!?アフィリエイトに与える影響とは?こんにちは! デジタルマーケターとして働きながらブロガーとしても活動しているウマ(@statistics1012)です。 2...

ただ、リターゲティングの問題は残りますが、アフィリエイトに関してはASPや広告主の対応によって従来と問題なく運用できるようになっていると理解しています。

ITPについては不明確なことも多いので情報錯誤がある場合は教えていただけると助かります!