こんにちは!
都内の某消費財メーカーでデジタルマーケティングやってますウマたん(@statistics1012)です!
3月26日に満を持してリリースされたITP2.1!
IOS12.1から導入されるそうで、続々とITP2.1問題が浮き彫りになってきています。
前回のITP2.0ではそれほど問題を被っていなかった部分も今回のITP2.1では相当影響を受けちゃうんです。
ITP2.0とITP1.0についての記事は以下をご覧ください!
今回の記事では、ITP2.1で何が変わるのか、どんな部分に影響があるのか、どうしたら防げるのかについて見ていきたいと思います!
※現在(2019年5月時点)ITP2.2まで発表されています。最新のITP情報が知りたい方は以下の記事をご覧ください。
目次
ITP2.1ってITP2.0と何が違うの?
ITPの情報は、Appleの技術者のブログに更新されていきますので要チェック!
Intelligent Tracking Prevention 2.1
技術者ブログに記載の今回のITP2.1に関する規制内容を引用します。
Cookies can either be set in HTTP responses or through the document.cookie API, the latter sometimes referred to as client-side cookies. With ITP 2.1, all persistent client-side cookies, i.e. persistent cookies created through document.cookie, are capped to a seven day expiry.
(引用:Intelligent Tracking Prevention 2.1)
ここで言っているのは、クライアントサイドで発行されたファーストパーティークッキーは7日間で削除するよーというもの。
従来のITP2.0では規制対象はサードパーティークッキーまでだったので、今回の影響はおそるべし・・・
前回のITP2.0で、広告代理店各社はファーストパーティークッキー対応を進め規制回避を行っていましたが、そこをまたもやAppleに刺された形になりました。
ITP2.1ではどんな部分に影響が出るの?
さて、今回のITP2.1ではどんな部分に影響が出るのでしょうか?
広告業界
前回のITP2.0に対してファーストパーティークッキー対応を行った広告代理店はこのままでは大打撃を受けることになります。
広告業界では効率の高いとされているリターゲティング広告も対象ユーザーボリュームが少なくなり、高い効果が見込めなくなってきます。
また、アフィリエイトのCV計測にも影響が出ることは間違いありません。1週間後に購入されてもCV計測されないのでアフィリエイターとしては大きな打撃。
個人的には収入源の多くが物販アフィリエイトなのでそれほど影響は受けませんが・・・
とにかく広告業界には大きな激震が走っております!
アクセス解析・DMP
今回はファーストパーティークッキーに対して規制がかかっているので影響が現れるのは広告だけではありません。
ファーストパーティークッキーを使って計測しているアクセス解析やファーストパーティークッキーでユーザーを紐づけている自社DMPなども大きな影響を受けます。
セッションベースでは問題ありませんが、ユニークユーザーベースで考えると大きな影響が・・・
今までファーストパーティークッキーは2年有効だったのですが、それが1週間になってしまうので、ユニークユーザー数が膨れてしまうのは目に見えているでしょう。
ただこちらの数字は、Iphone以外のユーザーのセッション/ユニークユーザー比率から推定値を算出することが可能です。
CRM施策
各企業は、DMPに貯まったデータを基に様々なCRM施策を行っています。
アプリ内でユーザーにキャンペーンを出し分けたり、ユーザーの情報をクッキーで紐づけて保持しておくことで行うことができたCRM施策が行えなくなる可能性もあります。
ITP2.1の影響を防ぐ方法
さて、ここまでITP2.1の恐るべき影響について見てきましたが、それを防ぐ方法はあるのでしょうか?
本質的な解決方法ではないかもしれませんが、あることはあります!それぞれ見ていきましょう!
サーバーサイドでファーストパーティークッキーを発行する
今回の規制対象はクライアントサイドで発行するファーストパーティークッキー。すなわちJavaScript等でブラウザ上において発行されるクッキーになります。
そのため、サーバーサイドでクッキーを発行してユーザーに付与すれば今回の規制対象外になります。
一旦クライアントサイドでクッキーを作成して、サーバーサイドを通すことで規制を免れる方法もあります。
localStrage(ローカルストレージ)を利用する
クッキーではないのですが、ほぼクッキーと同じような効果を持つlocalStrage上にデータを保有するという方法。
localStrageはHTML5から実装された仕様で、クライアントサイドの簡易的な記述でデータを保有することが可能になります。
localStrageはクッキーと違って、必要なデータを必要な時だけサーバーサイドに送信することが可能です。
サーバーサイドを通さずにデータ保有が可能なのですが、ほぼ現状のファーストパーティークッキーと同じじゃないかと笑
個人的にはLocalStrageでの対応は、結局Appleに規制されて終わるんじゃないかと思っています(4月24日に発表されたITP2.2では規制されていません)。
LocalStrageについては以下の記事にまとめています!
まとめ
今回のITP2.1は本来Appleが規制したい個人情報保護に関する広告まわり以外にも大きく影響を及ぼすことになりました。
正直、これまでのITPの流れはAppleと広告業界のイタチごっこ。Appleが規制をかければ、広告業界各社は抜け穴を見つける。
結局、今回のITP2.1も前回のITP2.0に対策した広告業界に対して規制を強めた形なんですよね。だから今回のITP2.1で抜け穴を見つけてもまた規制される気がしています(さきほどのLocalStrageは危ない)。
世の中で個人情報保護の流れが加速していることから、今後もAppleによる規制は強くなるでしょう。ただユーザーの利便性を損ねることはAppleもしたくないはず。
今回の規制は利便性の部分でも少し影響が出そうなんです。規制と利便性はある程度トレードオフの関係になっており統計学で言うところの閾値をどこに設定するかが重要です。
付け焼刃の対応ではなく、ユーザーが真に求める方向で対応していく必要がありそうです。