こんにちは!
データサイエンティストのウマたん(@statistics1012)です!
確率論の世界で非常に有名なモンティ・ホール問題。
モンティ・ホール問題は確率論・そしてベイズ統計学への1歩を踏み出すのに非常におすすめの問題です。
この記事では、そんなモンティ・ホール問題について確率論・ベイズ統計学と絡ませながら解説していきますよ!
以下のYoutube動画でも解説していますので良ければご覧ください!
目次
モンティ・ホール問題とは
モンティ・ホール問題は、アメリカのモンティ・ホールという司会者が務めるゲームショーで出題され波紋を呼んだことからモンティ・ホール問題と呼ばれるようになりました。
ゲームの内容は以下のようになっています(分かりやすいように実際に出された問題から一部修正しております)。
あなたの前に閉じた3つのドアABCがあって、1つのドアの後ろには当たりが、2つのドアの後ろにははずれがある。
あなたが1つのドアを選択した後、司会が残りのドアのうちはずれのドアを開けてあなたに見せる。
ここであなたは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。
あなたは変更するべきか?変更しないべきか?
どうでしょうか?ぜひ少し立ち止まって考えてみてください!
実は、この問題・・・
ドアを変えたほうが当たる確率が2倍になるので変えたほうがよいのです。
モンティ・ホール問題の謎を簡単に理解しよう
それでは、なぜあなたはドアを変えるべきなのでしょうか?
理論的な説明は置いておいて、まずは概念的な説明をしていきましょう!
この問題のミソは、
・司会者はあなたに選ばれなかったドアのうちを1つを開けて1つを残す
・そしてそのドアはランダムで選ぶのではなくてはずれのドアを選ばなくてはならない。
この問題はドアが3つなので直感とズレてしまいますが、同じ状況を10個のドアで再現してみましょう!
10個のドアのうち1つだけ当たりのドアがあります。
あなたはどれか1つを選びます。
司会者はあなたが選んだドア以外の9個のうち8個のはずれのドアを開いてあなたに見せます。
ここであなたがドアを変更してもよいと言われたら変更しますか??
もちろん変更するでしょう!
直感的に変更したほうが確率が高いのはわかりますね。
変更しなければ確率は10分の1、変更すれば10分の9になりますね!
3つなのでわかりづらくなっていますが、状況はこの例と同じなのです。
モンティ・ホール問題をベイズの定理で理解しよう
さてそれでは直感的に理解できたところでベイズ統計学の領域からモンティ・ホール問題を解説していきましょう!
ベイズ統計学の基本であるベイズの定理は以下のような公式で表されます。
\begin{eqnarray*}
p(A|B)&=&\frac{p(B|A)p(A)}{p(B)}
\end{eqnarray*}
p(A|B)は、Bという事象が起きた上でAが起こる確率を表しており条件付き確率といいます。
このベイズの定理は、条件付き確率と同時確率の関係性から導出できます。
\begin{eqnarray*}
p(A,B)=p(B|A)p(A)=p(A|B)p(B)
\end{eqnarray*}
この関係式を変形するとベイズの定理が導出されることが分かるでしょう。
さて、このベイズの定理をモンティ・ホール問題に適応させてみるとどうなるでしょうか?
この問題を以下のように置き換えても一般性は失いません。
あなたはABCのうちAのドアを選んで司会はBのドアを開けた。
その時Aが当たりである確率とCが当たりである確率はどのくらいか?
あなたがAのドアを選んで司会がBのドアを開けた場合の、Aが当たりである事後確率をベイズの定理に当てはめると
\begin{eqnarray*}
p(A|B)&=&\frac{p(B|A)p(A)}{p(B)}
\end{eqnarray*}
p(A)=1/3
p(B)=1/2・・・司会はA以外のBC2つのドアから開けるドアを選べる
p(B|A)=1/2・・・当たりがAという前提に立っても司会はBC2つのドアから選べる
それぞれをベイズの定理に当てはめて計算をしてみると、p(A|B)は1/3になります。
あなたがAのドアを選んで司会がBのドアを開けた場合の、Cが当たりである事後確率は
\begin{eqnarray*}
p(C|B)&=&\frac{p(B|C)p(C)}{p(B)}
\end{eqnarray*}
p(C)=1/3
p(B)=1/2・・・前提条件がなければ司会はA以外のBC2つのドアから開けるドアを選べる
p(B|C)=1・・・Cが当たりという条件があるならば司会はBしか開けられない
計算をしてみると、p(C|B)は2/3になります。
すなわち司会がBのドアを開けた上で、Aが正解である確率は1/3、Cが正解である確率は2/3となるんですね!
これでベイズ統計学の世界からもモンティ・ホール問題について理解することができました。
モンティ・ホール問題のような直感と一見反する事象も丁寧に紐解いていけるのがベイズの魅力です。
ベイズ統計学に興味を持った方は是非踏み込んで勉強してみてくださいね!
ベイズ統計学に関しては以下の記事でより詳しく解説していますよ!
ベイズを勉強するのにおすすめな書籍
さて、モンティ・ホール問題をベイズによって解明したところで、ベイズを勉強するのにおすすめな書籍をいくつか紹介していきましょう!
完全独習 ベイズ統計学入門
完全独習シリーズは圧倒的に読みやすいです!ベイズ統計学のイメージをつかむために非常に有用な本です。
もしベイズ統計学を勉強しようとしているけどどの本で勉強したら良いかわからないなら迷わずこちらの本を取って下さい!
基礎からのベイズ統計学
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基礎的なベイズの内容から深い理論まで載っている良書です。
コラムではモンティ・ホール問題についても触れているのでモンティ・ホール問題に興味を持った方は是非読んでみてください!
終盤の理論などは難しくMCMCを直観的に理解してイメージした後に取り組むと良いでしょう。
ちなみにStanという言語を使ってベイズを実装していく例も載っているので手を動かして実装してみましょう!
データ解析のための統計モデリング入門
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ベイズ統計学を勉強する上では絶対名前ががあがる名著です。
線形モデリングからベイズにおけるモデリングまで理解が進みます。伝統的な統計学とベイズ統計学を関連付けながら包括的に理解することができるでしょう。
ある程度ベイズを理解した上で読むと良いでしょう。レベル的には中級者くらいでしょうか。Winbugsを使ったコードが載っていますが、基本的には実装しなくて良いです。
ここでは3冊紹介してきましたが、ベイズ統計学を勉強するのにおすすめな書籍は以下の記事でより詳しく紹介していますよ!
モンティ・ホール問題×ベイズ まとめ
モンティ・ホール問題についてベイズを用いて解説してきました!
僕自身、大学時代にモンティ・ホール問題からベイズに興味を持ちベイズ統計学を研究していた過去があります。
いきなり難しい理論の世界に足を踏み入れるとなかなか理解が進まず投げ出してしまう可能性が高いので、ぜひ現実世界の面白い事象に触れながら徐々に理論を理解していきましょう!
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