統計学

分散の求め方!不偏分散と標本分散の違い

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ウマたん
ウマたん
当サイト【スタビジ】の本記事では、分散について解説していきます!分散とは「データの散らばり具合を示す」重要な指標となっています。今回は分散の定義について解説しつつ、分散のなかでも標本分散と不偏分散の違いについて解説してPythonで実装していきます!

こんにちは!

デジタルマーケター兼データサイエンティストのウマたん(@statistics1012)です!

データの傾向・性質を見る指標はたくさんありますが、「データの散らばり具合を見る」指標である分散は非常に重要です!

具体的には「データが平均からどれだけ散らばっているか」示しており、データのばらつきが大きいと分散が大きくなり、ばらつきが小さくなると分散は0に近づく特徴を持っています!

この記事では、そんな分散の解説をしながらも分散の性質を持つ標本分散と不偏分散の違いについて解説していきます。

・分散の定義について
・標本分散・不偏分散の違いについて
・Pythonで分散を実装!!

以下の動画でも解説していますのであわせてチェックしてみてください!

分散とは?

stories Data-pana

分散とは「データのばらつきを示す指標」と定義されています。分散の値が分かることで、データの分布が予想でき、データの比較が行うことができます!

ウマたん
ウマたん
分散の式は以下の通りに示せるよ!

\(s^{2}\) = \(\frac{1}{n}\)\(\sum_{i=1}^{n}\) \((x_i – \bar{ x })^{2}\)

これらの式では、\(n\)がサンプルサイズ,\(x_i\)が各サンプルごとの値、\(\bar{ x }\)が平均値を表しています!特に\((x_i – \bar{ x })\)を偏差と呼びます!

ロボたん
ロボたん
それじゃ偏差は各サンプルの値から平均値を引いた値なんだね!
ウマたん
ウマたん
その通り!偏差は「各サンプルの値が平均からどれだけ離れているか」を示しているんだ。そして分散は偏差の2乗平均でもあるんだ!

標本分散とは?

stories Memory storage

分散の定義を説明したので、標本分散の説明をしていきます!

標本分散とは、「標本から計算した分散」を示しています。つまり対象の全体から一部を抽出したデータの分散を意味しています!

ウマたん
ウマたん
標本分散の式は先程の分散の定義と同じだよ!

\(s^{2}\) = \(\frac{1}{n}\)\(\sum_{i=1}^{n}\) \((x_i – \bar{ x })^{2}\)

ロボたん
ロボたん
そもそも標本をとる理由ってなんだっけ…?
ウマたん
ウマたん
母集団が非常に大きすぎると母集団全体の観察は難しいので、母集団からいくつかのサンプル(標本)を抽出して、母集団の統計的な特徴を把握する目的があるんだ!

不偏分散とは?

quiz

次は不偏分散の説明です!

不偏分散とは、「標本が属する母集団の分散を推定した値」を示しています!

不偏分散
ウマたん
ウマたん
不偏分散の式は標本分散の\(\frac{1}{n}\)が\(\frac{1}{n-1}\)に変わっているよ!

\(s^{2}\) = \(\frac{1}{n-1}\)\(\sum_{i=1}^{n}\) \((x_i – \bar{ x })^{2}\)

ロボたん
ロボたん
不偏分散はなんで\(\frac{1}{n-1}\)で平方和を割っているんだろう?
ウマたん
ウマたん
それは推定量の期待値が母数と等しい不偏性を持っているからなんだ!

標本分散は不偏性を持つのか?

Feeling bad
ロボたん
ロボたん
それなら標本分散は不偏性をもった分散じゃないの?
ウマたん
ウマたん
それを実際に確かめてみよう!不偏性は以下の式が成立していればいいんだ

\(E\)(\(\hat\theta\)) = \(\theta\)

\(\hat\theta\)を推定量、\(\theta\)を母数とすると、「あるパラメータの推定量の期待値は母集団のパラメータに等しい」ということを言っています!標本から母集団のパラメータを良く推定できる強みがありますね。

そして標本分散を\(\hat\theta\)に代入してみましょう!

\(E\)(\(s^{2}\)) = \(E\)(\(\frac{1}{n}\)\(\sum_{i=1}^{n}\) \((x_i – \bar{ x })^{2}\)) = \(\frac{1}{n}\)\(E(\sum_{i=1}^{n} ((x_i – \hat{μ} ) – (\bar{ x } – \hat{μ} ))^{2}\))

= \(\frac{1}{n}\)\(E(\sum_{i=1}^{n} ((x_i – \hat{μ})^{2}  – 2\sum_{i=1}^{n}(x_i – \hat{μ})(\bar{ x } – \hat{μ}) + \sum_{i=1}^{n}(\bar{ x } – \hat{μ} )^{2})\)

= \(\frac{1}{n}\)\(E(\sum_{i=1}^{n} ((x_i – \hat{μ})^{2}  – 2n(\bar{ x } – \hat{μ})^{2} + n(\bar{ x } – \hat{μ})^{2}))\)

= \(\frac{1}{n}\)\(E(\sum_{i=1}^{n} ((x_i – \hat{μ})^{2}  –  n(\bar{ x } – \hat{μ})^{2})))\)

= \(\frac{1}{n}\)\(E(\sum_{i=1}^{n} (x_i – \hat{μ})^{2}) – E((\bar{ x } – \hat{μ})^{2})\)

= \(\frac{1}{n}\)\((n\)\(\sigma^{2})\) – \(\frac{\sigma^2}{n}\)

= \(\frac{n-1}{n}\)\(\sigma^{2}\) (*\(V(x_i)\) = \(E((x_i – μ)^{2})\)、\(V(\hat{x})\) = \(E((\hat{x} – μ)^{2})\)とする)

\(E(s^{2})\) ≠ \(\sigma^{2}\)なので標本分散の期待値は母分散と一致しない、つまり標本分散は不偏性を持たないことになります!

またさっきの式から、不偏分散は不偏性を持つこともわかりますね。

\(E(\frac{n}{n-1}\hat{\sigma}^{2})\) = \(E(\frac{n}{n-1} \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} (x_i – \bar{ x })^{2})\) = \(E(\frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^{n} (x_i – \bar{ x })^{2})\) = \(\sigma^{2}\)

実際に標本分散・不偏分散をPythonで実装してみよう!

stories pc

最後にPythonで標本分散・不偏分散を実装しましょう!

標本分散・不偏分散はNumpyライブラリのvar関数で算出することができます!特にvar関数はddof=Trueとすると不偏分散を算出してくれます。

問題の設定として、架空の学校にあるA組とB組のテストの平均と標本分散・不偏分散を見ることにしましょう。サンプルサイズは10人とします。

import numpy as np

#A組・B組のデータ
A = np.array([50,60,57,63,55,65,51,69,49,71])
B = np.array([30,80,40,90,25,95,32,88,27,93])

#結果
print("A組の平均:"+str(np.mean(A)))
print("B組の平均:"+str(np.mean(B)))
print("A組の標本分散:"+str(np.var(A)))
print("B組の標本分散:"+str(np.var(B)))
print("A組の不偏分散:"+str(np.var(A,ddof=True)))
print("B組の標本分散:"+str(np.var(A,ddof=True)))
ウマたん
ウマたん
パッと見るとB組のデータはかなりばらついているように見える。はたして平均と標本分散・不偏分散はどうなったかな?
分散のコード

A組・B組の点数の平均は同じですが,分散に関してはB組の方が圧倒的に大きいことが分かります。つまりB組の点数のばらつきが大きいことを意味してますね!

またddof=Trueにすることでキチンと不偏分散を算出してくれていることも確認できました!

不偏分散と標本分散 まとめ

python

本記事では分散の定義と標本分散・不偏分散の違いについてまとめました!

データの性質・傾向を見るために、データのばらつきを表す分散は非常に重要な指標でした。さらに分散だけでなく平均値を見たり、ヒストグラムからデータの分布を見る癖をつけると、データに対する理解が深まること間違いなしでしょう!

ウマたん
ウマたん
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