統計学

決定係数(R2)・自由度調整済み決定係数(R**2)の求め方をわかりやすく解説

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ウマたん
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当サイト【スタビジ】の本記事では、決定係数と自由度調整済み決定係数について解説してきます。決定係数とは「回帰式の予測精度の指標」、自由度調整済み決定係数は「説明変数の数を考慮した決定係数」と定義されています。これらの指標は主に回帰分析で使われており、モデルの予測精度を表しています。今回は決定係数・自由度調整済み決定係数の定義と式について解説していきます。

こんにちは!

スタビジ編集部です!

今回は決定係数と自由度調整済み決定係数について解説していきます!

決定係数は「回帰式の予測精度の指標」、自由度調整済み決定係数は「説明変数の数を考慮した決定係数」と定義されています。

決定係数・自由度調整済み決定係数は回帰分析で用いられる指標であり、データに対する回帰式の当てはまりの良さを表しています。

ウマたん
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決定係数・自由度調整済み決定係数は非常に便利であるため、これらの意味と成り立ちについて学んでいきましょう!

この記事では、決定係数と自由度調整済み決定係数について解説していきます!

・決定係数について解説!
・自由度調整済み決定係数について解説!

決定係数について解説!

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それでは決定係数について解説していきます!

決定係数とは「回帰式の予測精度の指標」と定義されています。つまり自分で作った回帰モデルが、実際のデータにどれだけ当てはまっているかを示しています。

決定係数は一般的に\(R^{2}\)と表し、0~1までの値をとります。1に近いほど、回帰式の当てはまりの良さが良いことを意味しています!

ここから決定係数がどのように成立しているか見ていきましょう!決定係数には全変動・回帰変動・残差変動を求める必要があります。

変動

\(y_{i}\)は実際のデータ、\(\bar{y}\)は平均値、\(\hat{y_{i}}(=\hat{β_{0}}+\hat{β_{1}}x_{i})\)は回帰式から算出された予測値を表しています。

全変動は「実際のデータと平均値の差」、回帰変動は「予測値と平均値の差」、残差変動は「実際のデータと予測値の差」を意味していており、二乗和として算出します。

\(全変動:\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\bar{y})^{2}\)

\(回帰変動:\sum_{i=1}^{n}(\hat{y_{i}}-\bar{y})^{2}\)

\(残差変動:\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\hat{y_{i}})^{2}\)

ウマたん
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ここから全変動=回帰変動+残差変動となっていることを証明するよ!

ここから全変動を以下のように式展開していきます!

\(\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\bar{y})^{2} =\)

\(\sum_{i=1}^{n}((y_{i}-\hat{y_{i}})+(\hat{y_{i}}-\bar{y}))^{2}=\)

\(\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\hat{y_{i}})^{2} + \sum_{i=1}^{n}(\hat{y_{i}}-\bar{y})^{2} + 2\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\hat{y_{i}})(\hat{y_{i}}-\bar{y})\)

この時、残差\(e_{i}=(y_{i}-\hat{y_{i}})\)としたとき、残差の性質を用いてさらに展開していきます。残差の性質は以下の通りです。

\(\sum_{i=1}^{n}e_{i}=0\)

\(\sum_{i=1}^{n}x_{i}e_{i}=0\)

したがって…

\(2\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\hat{y_{i}})(\hat{y_{i}}-\bar{y})=2\sum_{i=1}^{n}e_{i}(\hat{y_{i}}-\bar{y})=\)

\(2\sum_{i=1}^{n}e_{i}((\hat{β_{0}}+\hat{β_{1}}x_{i})-\bar{y})=2((\hat{β_{0}}-\bar{y})\sum_{i=1}^{n}e_{i} + \hat{β_{1}}\sum_{i=1}^{n}x_{i}e_{i})=0\)

これを先ほどの式に代入すると、全変動=回帰変動+残差変動と示すことができましたね!

\(\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\bar{y})^{2} = \sum_{i=1}^{n}(\hat{y_{i}}-\bar{y})^{2}+\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\hat{y_{i}})^{2}\)

これによって回帰変動は全変動のうち、回帰式で説明できる部分を表していると考えることができます!

これを利用した指標がずばり決定係数\(R^{2}\)であり、以下の式で表すことができます!

\(R^{2}=\frac{回帰変動}{全変動}=1-\frac{残差変動}{全変動}=\frac{\sum_{i=1}^{n}(\hat{y_{i}}-\bar{y})^{2}}{\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\bar{y})^{2}}=1-\frac{\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\hat{y_{i}})^{2}}{\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\bar{y})^{2}}\)

自由度調整済み決定係数について解説!

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先ほど求めた決定係数には「説明変数の数が多いほど、決定係数は1に近づく性質」を持っています。つまり説明変数の数が異なる回帰モデルを比較する際、決定係数による比較で優劣を決めてはいけないことを意味します。

そのような点を改良した決定係数こそが自由度調整済み決定係数\(R^{*2}\)となります!\(n\)はサンプルサイズ、\(k\)は説明変数の数とします。

\(R^{*2}=1-\frac{\frac{\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\hat{y_{i}})^{2}}{n-k-1}}{\frac{\sum_{i=1}^{n}(y_{i}-\bar{y})^{2}}{n-1}}\)

こちらも決定係数と同様、0~1の範囲であり、1に近いほどデータに対する当てはまりが良いと考えることができます!

決定係数と自由度調整済み決定係数 まとめ

Happy

本記事では決定係数と自由度調整済み決定係数についてまとめました!

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残差 アイキャッチ
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