こんにちは!
データサイエンティストのウマたん(@statistics1012)です!
この記事では自然言語処理領域の中で非常に重要なDoc2Vecについて簡単に解説していきます。
文書をベクトル化する技術には古典的な手法でtf-idfなどがあり、最近では大規模言語モデルの台頭で自然言語処理領域に様々なアプローチが生み出されています。
Doc2Vecは少し枯れた技術と思われがちですが理解しておくことは最新の技術を理解する上でも非常に大事。
ここでしっかり理解しておきましょう!
Doc2Vecとは?
Doc2Vecとはその名の通り
「ドキュメント(文書)をベクトルに変換する」アプローチです。
提案論文は以下です。
Doc2Vecの論文は2014年に発表されていて、Word2Vecの発表から1年後にあたります。
Word2Vecは「ワード(単語)をベクトルに変換する」アプローチですので、Doc2VecはWord2Vecの応用版と考えることができます。
ちなみにWord2VecもDoc2VecもGoogleの研究員らによって発表され、そのうちの1人はTomas Mikolov氏でどちらの論文にも名前を連ねています。
文書をベクトル化するのはどういうことかというと以下のようにいくつかの文書があった時にそれをベクトル化して可視化できるということです。
これにより特定の文書は近い意味合いを持っていて、特定の文書は遠い意味合いを持っているというのが分かるのです。
これにより、トピックの近い文書を探すこともできたり文書のコピペ判定などに使うこともできたりします。
Doc2Vecの仕組み
それでは簡単にDoc2Vecの仕組みを見ていきましょう!
Doc2Vecには2つのアプローチがあります。
・PV-DM
・PV-DBOW
PV-DM
まずはPV-DM!
PV-DMはWord2VecのCBOWに対応するようなアルゴリズムです。
以下のように文書IDのone-hotベクトルと単語のone-hotベクトルをインプットとして投入してそれらを重みベクトルで圧縮したものを平均化して重み行列で変換して次の単語を予測するニューラルネットワーク構造を構築します。
この予測問題を解くべく学習を進めた後の文書IDのOne-hot ベクトルに対応する重み行列のベクトルがDoc2Vecで取得したい文書のベクトルになるんです。
ここらへんの話はWord2Vecと合わせて学ぶと分かりやすいと思うのでぜひWord2Vecも合わせて見てみてください。
PV-DBOW
続いてPV-DBOW!
こちらは、Word2Vecのskip-gramに対応するようなアルゴリズム。
文書IDのOne-hot ベクトルから特定の単語を予測するようなニューラルネットワークを構築してそれを解きます。
同様に、この予測問題を解くべく学習を進めた後の文書IDのOne-hot ベクトルに対応する重み行列のベクトルがDoc2Vecで取得したい文書のベクトルになるんです。
一般的にPV-DMの方が精度が高いと言われています
Doc2VecをPythonで実装してみよう!
それでは続いてDoc2Vecを実際にPythonで簡単に実装していきましょう!
gensimというライブラリを使ってDoc2Vecを実装していきます。
from gensim.models.doc2vec import Doc2Vec, TaggedDocument
import nltk
from nltk.tokenize import word_tokenize
nltk.download('punkt')
# サンプルデータ
data = ["I love machine learning",
"I love coding in Python",
"Machine learning is an exciting field",
"Python is a versatile programming language"]
# データをトークン化してTaggedDocument形式に変換
tagged_data = [TaggedDocument(words=word_tokenize(_d.lower()), tags=[str(i)]) for i, _d in enumerate(data)]
# モデルのパラメータを設定
max_epochs = 100
vec_size = 20
alpha = 0.025
model = Doc2Vec(vector_size=vec_size,
alpha=alpha,
min_alpha=0.00025,
min_count=1,
dm =1)
model.build_vocab(tagged_data)
# モデルの学習
for epoch in range(max_epochs):
print(f"Iteration {epoch}")
model.train(tagged_data,
total_examples=model.corpus_count,
epochs=model.epochs)
# 学習率の減少
model.alpha -= 0.0002
model.min_alpha = model.alpha
# 保存と読み込み
model.save("d2v.model")
# 保存したモデルをロード
model = Doc2Vec.load("d2v.model")
# 新しい文書に対するベクトルを推測
test_data = word_tokenize("I love coding with Python".lower())
v1 = model.infer_vector(test_data)
print(v1)
これで以下のようにベクトルが出力されたはず!
[-0.02893877 0.0092387 -0.01232865 -0.02127847 0.00525628 -0.016203 0.0165593 0.00745648 0.02004363 0.00751371 0.00826285 -0.01215482 -0.00552002 -0.01216448 -0.02003857 -0.00662984 -0.02081434 0.00908031 -0.02296249 -0.00416257]
ちなみにライブラリgensimのDoc2Vecのパラメータdmに1を指定するとアルゴリズムとしてPV-DMを指定します。
今回はサンプルの文章を作成して簡易的に実装をおこなったのでベクトル化の精度は低いことが見込まれますので、本格的に実装する際は大規模の文書データセットを用いて学習を行うもしくは学習済みモデルを使用するとよいでしょう!
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Doc2Vecまとめ
ここまででDoc2Vecについて簡単に解説してきました!
Doc2Vecは2014年に登場したアプローチで、枯れた技術と思われがちですが理解しておくことは非常に大事です。
Doc2Vecを理解した上で他の自然言語処理アプローチもしっかりおさえておきましょう!
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