こんにちは!
データサイエンティストのウマたん(@statistics1012)です!
今回はF検定について解説していきます。F検定は主に2つの目的で用いられることが多いです。初めに「2変数のばらつきが同じである」という帰無仮説の検定、次に「複数の群の平均が同じである」という帰無仮説の検定が挙げられます!今回は前者の方を解説していきます!
この記事では、そんなF検定の定義と評価指標について解説していきながらPythonで実装していきます!
・F検定の定義について解説!
・PythonでF検定を見てみよう!
目次
F検定について解説!
まずはF検定でも、「2変数のばらつきが同じである」という帰無仮説の検定から見ていきましょう!
例で考えていきましょう!ある学校の2つのクラスで数学のテストを行ったと考えます。この時、2つのクラスは同じくらいの成績を持つ生徒で構成されていると考え、テストの点数のばらつきは大体同じであるといった仮説が考えられます。
このような問題設定が出た場合、「等分散性の検定」と呼ばれるF検定の出番となります!
ここからはF検定の手順を解説していきます!
手順その1:仮説設定
検定には必ず帰無仮説と対立仮説があります。帰無仮説とは「ある仮説が正しいのか検証するための仮説」です。大抵は「差がない」と述べていることが多いです。一方、対立仮説とは「帰無仮説とは反対の意を持つ仮説」です。これは「差がある」ことを述べていることが多いです。
今回において、帰無仮説は「2つのクラスの点数のばらつきには差がない」、対立仮説は「2つのクラスの点数のばらつきには差がある」と設定できますね!
帰無仮説:\((σ_{1})^{2} = (σ_{2})^{2}\)
対立仮説:\((σ_{1})^{2} ≠ (σ_{2})^{2}\)
手順その2:有意水準の設定
次に有意水準を設定します。有意水準を設定することで、帰無仮説を棄却できるか決まってくる重要な要素です。一般的には0.05 or 0.01ですが、今回は有意水準を0.05で設定します!
手順その3:F分布を用いた計算
次はF検定の肝となるF分布を用いた計算を解説していきます。
F分布とは、ある変数が正規分布\(N(μ_{1},(σ_{1})^{2})\)に従い、別の変数が正規分布正規分布\(N(μ_{2},(σ_{2})^{2})\)が従っているとき、Fは自由度\((n_{1}-1,n_{2}-1)\)のF分布に従います。
\(F = \frac{V_{1}/(σ_{1})^{2}}{V_{2}/(σ_{2})^{2}} or \frac{V_{2}/(σ_{2})^{2}}{V_{1}/(σ_{1})^{2}}\)
今回の帰無仮説は\((σ_{1})^{2} = (σ_{2})^{2}\)なので、帰無仮説下のFは以下の通りになりますね!この式から標本分散の比を表していることが分かります!
\(F = \frac{V_{1}}{V_{2}} or \frac{V_{2}}{V_{1}}\)
今回の例題から\(V_{1}=73.09, V_{2}=281.42\)なので、\(F= \frac{V_{2}}{V_{1}}=3.85\)となることが分かりました。自由度はどちらも9ですね。
棄却域・p値の算出
Fを求めることができたので、次はp値を算出していきます!
p値とは「今回の事象が帰無仮説において、実際の結果と同程度の結果が起きる確率」とされています。もしp値が低ければ、実際の結果が帰無仮説において起きる可能性は非常に低いことを示すところがポイントです!つまり帰無仮説が棄却されることにつながります!
F検定における棄却域は以下の通りです。標本分散の大きさによって式が変化していることに注意してください!
\(V_{1} \geq V_{2} : V_{1}/V_{2} \geq F(n_{1}-1,n_{2}-1; α/2)\)
\(V_{2} \geq V_{1} : V_{2}/V_{1} \geq F(n_{2}-1,n_{1}-1; α/2)\)
今回の例題では\(V_{2}\geq V_{1}\)です。そしてネットや参考書などに記載されているF分布表を見てみると、\(F(8,8; 0.025)=3.44\)となるので、\(V_{2}/V_{1} \geq F(8,8; 0.025)\)、すなわち\(3.85\geq 3.44\)は満たすことになります!
またこの時のp値は0.044…、約4%であるため、有意水準より下回っていることから、今回のような標本分布が起こる確率は非常に低いと分かります。
したがって有意となるため、帰無仮説は棄却されるので、\((σ_{1})^{2}\)は\((σ_{2})^{2}\)と異なると考えられます!
F検定をPythonで実装!
実際にF検定をPythonで実装してみましょう!
F検定はscipy.statsのbartlett関数を用いて実装していきます!
from scipy.stats import bartlett
Class_A = [90,88,85,84,80,79,78,74,71,69,60]
Class_B = [99,97,89,75,73,68,65,64,61,59,40]
result = bartlett(Class_A, Class_B)
result
F検定 まとめ
本記事ではF検定についてまとめました!
検定にはt検定、カイ二乗検定もあるので、ぜひ勉強してみましょう!また統計的検定を基礎から学びたい方にはこちらの記事も参照してみて下さい!
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