こんにちは!
ウマたん(@statistics1012)です。
大学院時代は統計科学を専攻しており、現在は消費財メーカーでデジタルマーケとかデータサイエンス的なお仕事をしています。
最近は、いかに自社の事業にAIを絡ませていくかみたいな話を仕事でよくしています。
これはどの企業でも課題になっている部分であり相当体力のいる部分なんですよねー。
そこで、この記事では事業会社サイドの少しデータが分かる人間から見た人工知能(AI)の活かし方について自論を交えながら語っていきたいと思います。
AIエンジニアではないので、技術サイドからのアプローチはこの記事ではしません。
あくまでいかに人工知能(AI)を実務に活かしていくかについてビジネスサイドから述べていきたいと思います。
とはいえ人工知能(AI)を扱う上で全く技術的知識がいらないかというとそんなことはありませんよ!
前半で人工知能(AI)についてのお話、後半で人工知能をビジネスに活かすためにはのお話をまとめていきたいと思います。
以下の動画でも詳しく解説していますのでよければチェックしてみてください!
目次
そもそも人工知能(AI)とは?
そもそも人工知能(AI)とは何でしょうか?
少し前からAIという言葉が色んなところで聞かれるようになり、今では聞かない日はないまでになりました。
これほどまでに様々な場で使われているAIという言葉ですが、実際にどのような定義で使われているのかご存知でしょうか?
人工知能(AI)と聞くとディープラーニングを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
しかしディープラーニングが登場したのは2006年であり、人工知能という言葉はそれよりもずっと前からある言葉。
必ずしも人工知能(AI)=ディープラーニングとは言えないのです。
よく言われるのが、人工知能(AI)の中に機械学習がありその中にディープラーニングがあるという構造。

だからこそ人工知能(AI)という言葉は軽々しく使ってはいけないのです。
人工知能(AI)は定義の範囲が広く、簡単なルールベースのアルゴリズムでもAIだし機械学習もAIだしもちろんディープラーニングもAIだし。
どの文脈で人工知能(AI)という言葉が使われているかは注意しなくてはいけません。
人工知能(AI)の歴史

さきほども述べましたが人工知能(AI)という言葉は思ったよりずっと昔からある言葉。
なんと、AI(Artificial-intelligence)という言葉は1950年代からあるんですよ!!!!
AIの代名詞とも言えるディープラーニングの原型であるニューラルネットワークは1980年からあります。
AIには実は第1次~第3次ブームがあり、現在はその第3次ブームであると言われています。
それぞれのブームに沿って人工知能の歴史について見ていきましょう!
第1次人工知能ブーム

AIはもともと単純なルールを解くためのアルゴリズムでした。いわゆる分岐ルールを与えてそれを基に新たなインプットを分類するみたいな単純な問題を解くことが得意でした。
しかし、それでは現実の問題に活かすことが出来ず結局そのまま人工知能は下火になり・・・冬の時代を迎えます。
第2次人工知能ブーム
それから20年ほど経って訪れた第2次人工知能ブーム。
ここで登場したのが、ディープラーニングの原型であるニューラルネットワーク。
ニューラルネットワークは、人間の脳を模して作られたアルゴリズムで、各層に対してある重みを付けた情報を伝播していきアウトプットによって重みを調整し精度を上げていくモデルです。
以下の記事でまとめているので興味のある方はご覧ください。

しかし、当時はまだ大量のデータを貯めておくことも処理することもマシーンパワー的にできず結局AIは下火になっていきました。
第3次人工知能ブーム
その後、満を持して訪れたのが第3次人工知能ブーム!
2006年にトロント大学のジェフリー・ヒントンという教授がより複雑な層構造でも計算が早くかつ精度の高いニューラルネットワーク・いまでいう「ディープラーニング」を提唱しました!
まわりもふーんくらいにしか思っていなかったんですが、2012年の画像認識コンテストで歴代優勝記録を超える圧倒的な数値をたたき出して優勝したんですね。
ここでディープラーニングは大きく注目を集めるようになったのです。
ニューラルネットワークと構造自体は変わらないのですが、その間にある中間層を増やすことでより緻密な分析を行うことが可能になったのです。

アルゴリズム的にはそれほど大きく変わっていないのですが、中間層を増やすことは計算負荷の著しい増加を生んでしまうのでマシーンパワーが追い付いていない時代には実現しませんでした。
※層を多層にすることで勾配が消失してしまう問題をクリアする技術的なブレークスルーもありました
マシーンパワーが強くなりそして多くのデータが蓄積されるようになり(いわゆるビッグデータ)、生まれたのがディープラーニングなのです。
人工知能(AI)の未来

さて人工知能(AI)の歴史は分かりましたが、果たしてこれからどのような未来が待っているのでしょうか?
人工知能(AI)の未来を語る上で欠かせない言葉「シンギュラリティ(技術的特異点)」
シンギュラリティとは人工知能(AI)が人間を超えるタイミングのこと。
このまま行くと2045年に来ると言われています。しかしここで疑問が。
本当にシンギュラリティは来るのか?
僕自身は現在言われているようなシンギュラリティは来ないというスタンスを取っています。
人類は、あえてリスクを取ったりありえない行動を取ることで進化してきました。現在の人工知能(AI)の延長線上にはそのような人間的なリスクの取り方が取り入れられていません。
もし本当の意味で人間を超えるなら
・あえてリスクを取る
・ありえないことを想像する
などの要素が必要だと考えています。
シンギュラリティに関しては以下の記事で詳しくまとめています!

人工知能(AI)に出来ること

それでは、そんな人工知能をどのようにビジネスに活かしていけばよいか考えていきたいと思います。
なんだか、AIという言葉を魔法のように使っている人が多すぎる気がします。
そして人工知能(AI)さえ導入すれば何でもやってくれるような魔法的な何かだと思われている・・・
しかし、今までの話から人工知能(AI)という言葉自体はなにも最近になって登場した言葉ではなく魔法でも何でもないということが分かります。
人工知能というと、画像認識や自動運転、音声認識などの最先端技術と紐づけて語られがちですが、ここではもっと泥臭いビジネスに近い汎用的な観点で3つに分けて解説していきます。
・単純作業の自動化
・言語化できない人間の勘をルール化
・大量のデータから関係性や構造を可視化
単純作業の自動化
古い人工知能でも実現できたことですが、決められたルールを機械に覚えてもらうことで自動化することが可能。
いわゆるExcelにおけるマクロもこの自動化の一種ですね。
また、Pythonを使えばExcelだけに留まらず様々なPC上の作業が自動化できます。
古くから行われてきた自動化ですが、甘く見てはいけません。
単純作業のルールを人工知能に代替してもらうことが最も正確でありかつインパクトの大きい部分だったりするんです。
Pythonでの自動化については以下の記事で詳しくまとめています!

言語化出来ない人間の勘をルール化
受注予測なんていうのは、この例に入りますね。
なんとなーく人間の勘で行っていた受注予測を様々な変数を基に人工知能がルールを作り出して予測してくれます。
先ほどAIにはデータの存在が欠かせないという話をしましたが、いくら最新のアルゴリズムを使ってもインプットするデータが粗悪だと良い予測結果はアウトプットされません。
手法の実装自体は簡単なんですが、重要なのはどのようなデータをインプットするかなんです。
結局人間の経験や勘みたいなものはデータとして貯まっていないことも往々にしてあるので、実際に学習させた人工知能(AI)と人間を競わせた時に人間の方が精度が高かったという場合はあります。
しかしそこで人工知能(AI)ダメじゃんと投げ出してはいけません。いきなり人間→人工知能(AI)に完璧に変えようとする考えがまずいんです。
はじめは、ベースのアウトプットを人工知能(AI)が作りそれを人間が感覚で手直ししていく。
そして人工知能(AI)に対してフィードバックした結果をさらにインプットさせていくことで精度は上がっていきます。
最終的には人工知能(AI)が大部分を担うことができるようになるという構図が理想ですね。
大量のデータから関係性や構造を可視化。
先ほどの話は、機械学習の世界では教師あり学習と呼ばれ受注金額のような目標とする変数が明確にきまっており、それらの過去データが存在する状態です。
しかしそのようなケースばかりではありません。
目標とする変数はなく、大量のデータの関係性や構造を可視化したいという場合。
そんな時には教師なし学習と呼ばれる手法を用いるコトでデータをグループ分けしたり変数の次元を圧縮したりすることができます。
お客さんのWebサイトでの大量の行動データをグループ分けしてグループごとに施策を出し分けるようなことも可能です。
人工知能(AI)をビジネスに活かすために必要な観点

人工知能(AI)をビジネスに活かすために必要な観点を個人的にまとめておきます。
人工知能(AI)を万能だと思わない
まずは人工知能(AI)についてしっかり理解することが大事です。
何でも出来る魔法だと思わないことが重要。
AIはあくまで手段でありそれを目的としては本末転倒です。
ただ、実際に導入する担当者は万能ではないという理解をしておくべきですが、提案する時や上司を説得する時は何でも出来る魔法のような魅せ方をするのも1つの手です笑
現場へ浸透させる設計
人工知能(AI)を使って何かを最適化したり予測したりしたとしてもそれが現場にとって使いにくかったり使えないと認識されてしまったりしたら意味がありません。
そのためには、最初から現場にとって使いやすい設計にしなくてはいけません。
人によっては人工知能(AI)によって自分の仕事が脅かされると思い反発する人もいるかもしれません。
しかし人工知能(AI)は使う人がいて初めて活きるもの。現場の理解なしには導入は難しいでしょう。
データ蓄積からの設計
いくら人工知能といえども適切なデータがなくては意味がありません。
最近は様々なデータを比較的簡単に貯めることができるようになり、データによっては購入することができるようにもなりました。
ただ、データをとりあえず大量に貯めたら人工知能(AI)が何かアウトプットしてくれると思うのは間違い。
人工知能(AI)のアウトプットイメージからどのようなデータが必要なのかを考え、それを蓄積するというフローが大事です。
人工知能(AI)を勉強する方法

今までツラツラと人工知能について述べてきましたが、最後に人工知能を学ぶ方法についてまとめていきたいと思います!
人工知能を学ぶスタンスとしてはビジネスサイドの勉強と技術サイドの勉強があります。
それぞれに分けて考えていきましょう。
ビジネスサイドの勉強
ビジネスサイドの勉強では、人工知能(AI)の詳しいアルゴリズムや実装方法について知る必要はありませんが、人工知能(AI)では何が出来て何が出来ないのかを明確に知っておくことが大事です。
最近では人工知能(AI)をテーマにしたビジネス書も多く出版されているのでそちらを読んでみるとよいでしょう!
個人的には以下の本なんかがオススメです。
人工知能(AI)をビジネスに落とし込む上での理想と現実のギャップが赤裸々に語られています。
また手前味噌ですが、機械学習手法の中でも高精度を簡単にたたき出してくれるXgboostを使って企業課題を解決する小説を書いていますのでよかったら読んでみてください!
価格は300円ちょっとですし、Kindle unlimitedであれば無料で読めるのでぜひチェックしてみてくださいね!
AIに関する書籍は以下の記事でまとめていますのでよければご覧ください!

また外部のセミナーで話を聞いたりAIメディアとか見てみるのもよいですね!
技術サイドの勉強
技術サイドの勉強をするならプログラミング言語PythonもしくはRの学習(Pythonの方がオススメ!)が必須です。
さらにディープラーニングなど最近の時流に乗った手法について深く勉強したいなら別途アルゴリズムの勉強が必要です。
Pythonの勉強
元々大学院ではRを主に利用していたこともあり、Pythonは社会人になってから本格的に使うようになったのですが、Pythonを勉強する上で感じたこと役立ったことなどをまとめてなるべくPythonで出来ることを体系立ってまとめた記事を作ってますのでよければ参考にしてみてください。

Pythonを学ぶならPyQというPython特化のオンライン動画サービスがオススメです!
Python特化のプログラミング学習サービスで非常に役立ちます。価格も安いのでオススメです。
以下の記事で実際にPyQを使ってみたレビューをまとめています!

理論と実装を勉強
・単純な機械学習だけではなくディープラーニングまで実装したい
・Python実装と共に理論も学びたい
場合は本格的なプログラミングスクールなどがオススメです。
僕はAidemyやテックアカデミーのAIコースの受講体験があります。
どちらもオススメですが価格がそれなりにするので無料体験・相談をしてから受講することをオススメします!


AIの勉強法に関して詳しくは以下の記事でまとめていますので是非見てみてください!

人工知能(AI) まとめ
人工知能(AI)について様々な観点から述べてきました。
最後に簡単にまとめておきましょう!
・人工知能(AI)自体は1950年代から存在する
・人工知能(AI)は神様でも魔法でもない
・人工知能(AI)に出来ることは大きく分けて「予測・分類・オートメーション化」の3つ
・人工知能(AI)をビジネスに活かすためには現場への浸透・データ蓄積設計が大事
今回一番伝えたかったことは、人工知能(AI)を得体の知れない万能な魔法だと思わず、しっかり理解し使いこなせるようにならないとダメですよ!ということです。
僕自身まだまだ理解できていない部分も非常に多いのでこれからさらに勉強していきます。
AIの勉強ロードマップに関しては以下の記事でまとめています!
